表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私は若年性認知症、好きな人の事も忘れる。

作者: 七瀬

私は 『若年性認知症』記憶がなくなっていく。

途切れ途切れ1つ1つ消えていく記憶......。


私には付き合っていた彼がいた。

まだ、私が普通の女の子だった時までは......?

ちゃんと記憶があって、彼のことがとっても大好きだった。


でもある日を境に、記憶が留めておけなくなる。

その時は、ただのド忘れと思っていた。

それが頻繫に増えていく。

何かすると...? 何か1つ忘れる。

それが、2つ3つとどんどん増えていく。


そんな私にも彼は優しく接してくれる。

私が【若年性認知症】とわかった時も彼は私から離れて行かなかった。

ずっと彼は、私の傍にいてくれた。


彼が私に言ってくれた言葉......。

『ずっと、キミの傍にいるよ。キミが僕の事を忘れたとしても......。』



そして私は遂に恐れていた事が起きた、家の近所で迷子になったのだ。

何処にいるのか? 何故ここにいるのか? まったく思い出せなくなった。

どうしていいのかわからなくなって家に帰れなくなった。


それから3時間迷子になってやっと家に帰れた。


◆◇◆



私はどうなってしまったんだろう? 

このままどんどん記憶を失っていく。

怖い! 私が私じゃなくなる!?

治らない脳の病気、記憶がなくなったら......?

せめて、私の事は忘れてもいい。

彼の事は憶えていたい!

失いたくないの! 彼の事、彼の記憶を......。



◇◆◇



でも? 彼女は僕の事も、自分自身の事も、家族の事、友達の事、

何もかもすべて失いました。


何も憶えていません。

僕を見ていても、ボーっと眺めています。

誰なのかわからない僕をじーっと見ています。

ただただ、何も発する事なく僕を見ているだけ......。

それでも、僕は彼女に会いに行きます。


『記憶を失くした彼女も僕の大切な人には変わりないから。』

これからもずっと。


『彼女の記憶がなくなる前に、彼女に言えなかった言葉......。

【愛しているよこれからも、僕を憶えていなくても僕は君を愛している】

それだけが、僕の心残りであり後悔だった。


今の彼女には僕の声が届かない。


































最後までお読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ