謎多き幼女
翔は幼女にさっきの仕返しにキツイ一発を食らわせてやろうと飛びかかり右腕を振り上げた。
側から見たら幼気な幼女に欲情して犯してやろうとしている男にし見えない。
何故だろう。
答えは簡単だ。翔は今
パンツ一丁だからである。
これは昔からの癖で顔を洗うとき翔は勢いよく顔に水をかける。
そのせいで衣服はビショビショに濡れ朝から気持ち悪い感じを味わなくてはならない。
ただ単にかける水の勢いを抑えればいいのであるが、翔はちょっと変わっており
「パンツ一丁になれば濡れずに済まね?それに加え今まで服を濡らしていた水が体にかかって水浴びみたいなことできんじゃん!超健康的な朝を迎える事ができんじゃん!俺天才!」
と考えた結果がこれである。
あえてオブラートに包まず言うと
ただのバカなのである。
話を戻そう。
今翔は飛びかかった。裸で。
「死ねや!ゴォォォラァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!
俺に対して攻撃をした事をあの世で悔やめや!!!!!!!」
しかし幼女は今まさに襲われそうとしているのに顔色変えずに翔を見ていた。
「別に攻撃したつもりはないんだがな。」
「ウルセェぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
翔は握った拳を思いっきり幼女に向けて振り下ろした。ブンッと音を立てていたところから本気で殺す気持ちでいた事がわかる。拳は幼女の鼻先をへし折ろうとする瞬間拳と幼女の顔の間に半透明の青い壁紙出現した。
「ナンッ!?」ゴキッ!
思いっきり振り下ろしたものは当然止まれるわけなく拳は幼女の顔ではなく突然出現した壁を思いっきり殴った。
「お………お………お……………………」
翔の拳は潰れかけ、手首に関しては本来なら曲がってはいけないレベルまで曲がってしまった。
翔はあまりの痛みにのうたうち回るのではなくその場にしゃがみ込み下を向いて痛みと格闘していた。
「やっぱバカには聞くんだな。これ。」
彼女は内側から手でコンコンと音を立てて壁を叩いた。
彼女の声は何かに遮られているのか少し篭ったような声になって聞こえてきた。
しかし、翔はあまりの痛みに幼女の声が聞こえなかったのか、もしくはあまりの痛みに怒る気が起きなかったのか。どちらか分からないが翔はその場から一切動かなかった。
「おい、大丈夫か?そんなとこにうずくまってどうした?ポンポンでも痛くなったか?一人で立てるか?トイレまでついて行ってやろうか?」
「………………………………………」
翔は何も答えず立ち上がり幼女に向かってゆっくりと歩き出した。