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6話 剣術

目が覚める。

女神様からのお告げとやらを思い出す。

あぁ、父さんに剣術を教わるんだったな。

まぁまずは朝食だな。

腹が減っては戦が出来ぬ。腹ごしらえは大切である。

「おはよう、母さん、父さん、姉さん達。」

「おはよう、ヴァン。」

「おお、おはよう。」

みんな朝食を食べている。

いつもと変わらない光景だ。

「今日は豆のスープとパンよ。」

いつもと変わらんな。

変わる時は、たまに一品追加されるくらいだ。

「さ、召し上がれ。」

「ありがとう。」

この世界には食べる前と後の挨拶の習慣はない。

僕の席は父さんの隣である。

今、頼んでしまうほうがいいだろう。

「父さん、剣術を教えて欲しいんだけど、今日時間ある?」

と聞くと、意外そうな顔をして

「お、おう。いいぞ。今日は最初だから昼前まで店を休みにして教えてやるよ。」

と言ってくれた。

店まで休みにしてくれるとは…ありがとうございます。

ふと見ると母さんが父さんを見てクスクス笑っている。なんだ?

「ヴァン、 食べ終わったら鍛冶場に来なさい。」

「はい、父さん。」

父さんは先に鍛冶場に行ってしまった。

早く食べ終わそう。


------------------------------------------------------------


食べ終わった。

「ふぅ、美味しかったよ母さん。」

「さ、食べ終わったら、早く父さんのところに行って。」

「はーい。」

鍛冶場へ走る。

鍛冶場では父さんが剣を作っていた。

父さんの鍛冶のやり方は少し特殊だ。

と言っても、金属を熱するのに自分の固有魔法を使っているだけだが。

鍛冶の作業中の父さんは身体に超高温の熱をまとっている。

離れていても炎天下の砂漠のように暑いのだ。

数m内に近寄ったら軽く死ねる。


------------------------------------------------------------


30分後。

やっと終わった。

待っている間に水魔法の練習をしていたが、床に水をぶちまけてもすぐに蒸発した。

どんな熱を発してんだよ、父さん。

「ヴァン、すまないな、呼びつけておいて作業しちまってて。」

「大丈夫。何作ってたの?」

そう聞くと、父さんはニカッと笑って

「お前が使う剣だよ。まだ身長が小さいから特別製だぞ。」

おおおおおお!!まじかよ!父さん太っ腹!

「ありがとう!!父さん!」

「どういたしまして。」

剣を手渡される。言っていたとおり小さめの剣だ。

「7歳で剣術をやりたい、っていうのには少し驚いたぞ。やっぱ俺の血を引いてるんだなぁ。」

父さんは貴族まではいかないが割と裕福な家の出で、5歳頃から剣術を習っていたらしい。父さんの飲み仲間のおっちゃんが言ってた。

「さて、まずは説明するぞ。知識ってのは時に剣にも魔法にも勝るからな。」

父さんがよく言っている言葉である。

「まず、剣術の主流の流派は3つある。」

そこからは無駄に話が長かった。剣のことになると熱くなるみたいだ。

固有魔法といい、剣といい、全部熱いな。

話の内容を要約すると

主流の3つの流派は、

・剣狼流

攻撃に攻撃を重ねる流派。連撃による短期決戦が主な戦い方である。


・剣象流

防御、反撃する流派。相手が魔法であろうと剣であろうと、どんな攻撃をしてきても対応できるため最も人気がある。


・剣蛇流

良くいえばトリッキー、悪くいえば卑怯な戦い方の流派。盗賊などが好んで使う。


また、全ての流派に、強さによって上から


初級

中級

上級

剣鬼

剣魔

剣聖


という階級が与えられる。


と、まぁこんな感じである。

中級の実力があれば騎士に、上級の実力があれば師範代になれるらしい。

剣鬼になれば王族の護衛を任されるレベルだそうだ。

剣鬼で王族の護衛って…剣聖超強そう。

それはさておき、

「父さんはどの流派を使えるの?」

「一応全部使えるぞ。剣狼流、剣象流は上級、剣蛇流は中級だがな。」

うん、それ相当強いよね。

たまに酔った時に話してた冒険者時代にドラゴンを倒した、パーティーが強すぎてほかの冒険者から恐れられてたレベルだってのが本当の可能性も出てきた。父さん恐ろしや…

「よし、説明も終わったから…」

お、やっと剣を持てるぞ…!

「体力を鍛えよう。まずはさっき渡した剣を持って村の周りを3周して戻ってこい。」

なんか違う!剣は確かに持ってるけど!持ってるけども!!

てか3周って…村の周り、1周何キロあるんだよ…

「分かりました。頑張ります…」

「その間、俺はディプラストさんの鍋を直してるからさ、エステルとミナスについてってもらえ。あいつら暇してるだろうから。」

仕事するんかい!!僕の感謝を返せ…

なにはともあれ、

「姉さん達、一緒に村の周り走らない?」

「お、お父さんの剣術特訓のための基礎練だね!いいよ!一緒に走ろう!」

「私達もやったなぁ…」

エステル姉とミナス姉に付き添いを頼むと快く承諾してくれた。

てか2人とも剣術出来るのか。

「あ、ちなみに私達は剣狼流初級、剣象流初級だよ。剣蛇流は難しくてダメなんだけどね。」

ほへー。充分すごい。

「さ、行こう!」

「うん!」


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ヘトヘトになって、走り終わったら5分休憩して、筋トレでした。

腕立て、腹筋、背筋を50回×3セットでした。

7歳にやらせるトレーニングじゃないよ、あれ。

しかも、何で姉さん達は余裕で走ったり筋トレしたりしてるんだよ。

「はい、今日はこれで終わり。ゆっくり休むように。明日も同じことやるからな。」

明日もやるのか…

てか、

「剣術はやらないの!?」

「身体がきちんと出来上がってからじゃないと怪我するからやらないぞ。」

あー、だから筋トレか。納得。

丁度、昼食に呼ばれたので、僕達は家の中へと戻った。

なんとか書き上げました。

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