アリシアの問題
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オレのステータスにあった称号【聖女の従者】。このことについては直ぐに父さんとギルザールに伝えるべきだと思う。そう思い、神父と当人のアリシアに見えないようにオレは父さんとギルザールに自分のステータスを見せた。
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シン
age 7
体力 50/50
魔力 30/30
筋力 E
敏捷 B+
防御 C+
魔耐 F
【スキル】
風魔法適性Lv.1
血盟契約Lv.1
【称号】
暴君の子・聖女の従者・レイピアの申し子・エンシェントエルフの末裔
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ギルザール「これは、想像以上だね。」
ハルト「【暴君の子】か。悪くないな。」
悲報、父さんは暴君に誇りを持っていた。
皆一様の反応を見せるが次の瞬間に顔が固まる。
「【聖女の従者】があるのか。となるとアリシアお嬢様のことか、、、」
父さんがいち早くこの事態に気づく。
「父さん、やっぱりこれってそういう事だよね?」
「そうだろうな。ステータスは嘘をつかない。」
「これっていいこと?」
「普通に考えればな。」
聖女の称号は回復魔法が使える証だ。この世界では貴重な回復魔法を操れる。それだけで特別な存在になる。
この世界、いやどの世界でも特別な存在はいい意味でも悪い意味でも違う目で見られ続ける。
この異世界で聖女は勇者の次に高位な称号だ。いく先々でどうしも人の目を引いてしまうだろう。それはアリシアにとって決していいこととは言えない。
「アリシアのステータスは隠すべきだよね?」
「、、、ギルザール様はどう思われますか?」
「聖女であることはアリシアが旅に出るまでは隠すべきだ。外に出れば聖女であることが知られるのが避けられないけど、ここにいる間は普通の女の子として過ごして欲しい。だから、旅に出るときは頼んだよシンくん。」
「分かっています。僕はアリシアお嬢様の従者ですから。」
話が纏まったので、アリシアを呼びギルザールが真剣な顔をして告げる。
「落ち着いて聞いてくれアリシア。君は聖女だ。」
「え?私が?なんで私が?」
アリシアも動揺を隠せていない。それでもギルザールは続ける。
「シンくんの称号に【聖女の従者】があった。シンくんはまだ正式には違うけどアリシアの従者だ。だからアリシアは聖女なんだ。」
「でも、聖女は、、確かに嬉しいけど、、、」
アリシアも聖女だということに魅力は感じていても抵抗があるようだ。
「アリシア。これはもう避けられないんだ。今はとりあえず神父には知られないようにするんだ。大丈夫。もしいつか君が聖女だということがみんなに知られても父さんが守るからもちろんシンくんも。」
「分かったわお父様。私、覚悟決める。」
「偉いなアリシアは。さぁ行っておいで。」
確かにアリシアはすごい。わずかな時間で自分が聖女だということに向き合い、もうその顔には動揺が見られない。
アリシアは水晶に向かい先ほどオレがしたことと同じことをしてステータスを得た。アリシアが自分のステータスを見た時、一瞬寂しそうな顔をした気がした。
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アリシア・ヴェルディベース
age 7
体力 30/30
魔力 120/120
筋力 F
敏捷 E+
防御 F
魔耐 A
【スキル】
火魔法適正Lv.1
雷魔法適性Lv.1
回復魔法適正Lv.1
【称号】
名主の子・貴族・聖女・天才魔法使い
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アリシアのステータスは予想以上だった。
まずは【聖女】。これは予想したとおりだが、それと同じくらい魔法がすごい。魔力も魔耐も子供離れしているがまさかの3属性魔法に適正がある。3属性も扱える魔法使いなんて世界に数えるほどしかいないだろう。これには
「君たちはどこまで予想を裏切ればいいんだ、、、」
「、、、流石ですアリシアお嬢様。」
父さんもギルザールも唖然としていた。それもそうだろう。オレはまだしもアリシアのステータスは異常に異常を重ねたぐらいのものだ。
その気になればアリシアは容易に歴史に名を残す魔法使いになれる。誰もがそれを確信した。
帰りの馬車の中でオレは自分のステータスの詳細を見ていた。
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シン
age 7
体力 50/50
魔力 30/30
筋力 E
敏捷 B+
防御 C+
魔耐 F
【スキル】
風魔法適性Lv.1
血盟契約Lv.1
【称号】
暴君の子・聖女の従者・レイピアの申し子・エンシェントエルフの末裔
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【スキル】と【称号】のところを触ることで詳細が表示される。
【スキル】
風魔法適性
→風属性の魔法に適性を持つ。
Lv.1 ・ウインドボール(攻撃魔法)
・ウインドステップ(付与魔法)
血盟契約
→血を用いた契約をすることでステータス上昇。
Lv.1 ・血を用い、人と契約することで互いに全ステータス上昇(小)
血盟契約については相変わらずよく分からん。血を使った契約が何かあるのだろうか?とりあえず後で調べるとして次に称号を見る。
【称号】
暴君の子
→父親からの遺伝称号。永久的に筋力値が上昇(小)
聖女の従者
→職業称号。主の側にいると自分も加護を受けることができる。
レイピアの申し子
→レイピアの技能が伸びやすくなる。レイピア使用時に全ステータス上昇(小)
エンシェントエルフの末裔
→隔世遺伝称号。魔力の8割を消費し、一時的にエンシェントエルフへと変身できる。全ステータスを2段階上昇。
最後のが謎だけどすごいってことだけが分かる。父さんなら知ってるかな?
「父さん、エンシェントエルフって何?」
「シン、それをどこで?」
「いや、称号でエンシェントエルフに変身できるとかなんとか。」
「エンシェントエルフは太古に絶滅したエルフの一族のことだ。彼らはエルフなのに魔法適性が無かったが世界一と謳われた身体能力と特殊なスキルによって今でも史上最強の一族だと言われている。」
「めっちゃすごいじゃん!てか称号に末裔ってことは母さんもこの称号あるの?」
「母さんにはないぞ。その称号は何称号だ?」
「隔世遺伝称号ってあるけどこれどういうこと?」
「その場合はお前にも母さんにもエンシェントエルフの血が流れているが、その称号は必ず遺伝するわけではないということだ。多分今現在その称号はお前にしかない。」
いいもの頂きました。オレの両親2人ともいいものくれた。オレの遺伝子有能。というか魔法の説明は無いみたい。まぁ後で使ってみれば分かるからいいか。
オレは引き続き自分のステータスを眺めていたが途中でアリシアもステータスを見ていることに気が付いた。
「アリシア見てもいい?」
「いいよ。ならシンのも見せてね。」
オレは快く了承し、アリシアのステータスを見せてもらう。
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アリシア・ヴェルディベース
age 7
体力 30/30
魔力 120/120
筋力 F
敏捷 E+
防御 F
魔耐 A
【スキル】
火魔法適正Lv.1
雷魔法適性Lv.1
回復魔法適正Lv.1
【称号】
名主の子・貴族・聖女・天才魔法使い
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【スキル】
火魔法適正
→火属性の魔法に適正を持つ。
Lv.1 ファイヤーボール(攻撃魔法)
エンチャントファイヤー(付与魔法)
雷魔法適性
→雷属性の魔法に適正を持つ。
Lv.1 サンダーボール(攻撃魔法)
ショックボルト(攻撃魔法)
回復魔法適正
→回復魔法に適正を持つ。
Lv.1 ヒール(回復魔法)
アーマープラス(付与魔法)
【称号】
名主の子
→遺伝称号。領主としての才能がある。
貴族
→遺伝称号。貴族であることの証。
聖女
→職業称号。回復魔法に適性があり、回復魔法の効果上昇。聖女の加護を持つ。加護により、防御と魔耐のステータス上昇(中)
天才魔法使い
→魔法のスキルのレベルが上がりやすくなる。魔法使用時の魔力消費減少(小)
改めてアリシアのステータスはすごいと分かる。魔法に関して恵まれすぎである。
最後まで見終わるとアリシアもオレのステータスをちょうど見終わっていた。今更だけどアリシアと至近距離にいたのね。今更ドキドキしてしまう。
「シン。さっきの話だがな。」
不意に父さんから話しかけられる。
「さっきのって、エンシェントエルフの?」
「それだ。その話は今日の夜にでも母さんに聞け。母さんの方がよく知っている。」
「うん分かった。あ、あとさ」
「なんだ?」
「ステータスにオレ自身のレベルが乗ってないのってなんで?」
「ああ、それはだな。経験値が1でも入らないと表示されないからだ。安心しろ。1ぐらいならちょっと素振りしていれば直ぐに入る。」
「経験値って鍛錬でも入るの?魔獣倒したりしなくても。」
「確かに魔獣を倒したほうが入る経験値は多いが、鍛錬でも手に入る。」
「へー。じゃあ帰ったら直ぐにする。」
「それは待て。」
「え?なんで?」
「帰ってすぐにすることがある。お前にとっては一生のあり方を決めることだ。」
そんなに大事なことなら何故事前に知られてくれないのか。激おこプンプンですよ父さん。
「それって?」
「ギルザール様。よろしいですか?」
「いいよ。アリシアにも昨日伝えてある。」
「では。いいかシン、昨日正式にお前がアリシアお嬢様の従者となることが決まった。前から話していたが、昨日ギルザール様が正式に発表した。だから、」
父さんとギルザールが同時に、
「「『贈剣式』を行う。」」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次話は出来次第朝か夜の9時に投稿します。
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