誕生日パーティー
タグ回収ができない、、、
アリシアと別れ、父さんと一緒に屋敷のなかに入っていった。既に屋敷ではメイドや執事達がパーティーの準備を始めている。
「父さんは手伝わなくていいの?」
「ああ、父さんはこういう担当ではないからな。シンはメイド長のところに行ってなにか手伝ってきなさい。」
「分かった。じゃあ父さんまたね。」
父さんに言われたとおりにオレはメイド長のところへ向かっていった。父さんの仕事は何なんだろうと疑問に思っていたが、後にメイド長がシン教えてくれた。
「ハルトさんは私たちみたいに給仕をしたりしないの。あの人の主な仕事は警備や護衛よ。」
初耳だったが、それなら母が父のことを武人として褒めていたのもそういうことだったのだ。納得しているとさらなる事実を耳にした。
「アナタもいずれ、アリシアお嬢様の従者になるのだから強くならなければなりませんよ。そもそも、ハルトさんとアナタの一族は代々ご主人様達をお守りする役割を背負っているのですから。あ、それより倉庫部屋からテーブルクロスを取ってきて貰えますか?」
「えっ!あっ、はい!」
(オレってアリシアの従者になんの?!初耳なんだけど。)
思わず素直に返事してしまったが、衝撃の事実を聞いてしまった。父がギルザールの従者をしているのは知っていたが、まさかオレの一族がその役目を担っているとは思わなかった。
もともと、体は5歳でも精神的には高校生であるオレとしてはアリシアは妹が出来たみたいで可愛い存在なので不満はないのだが、一抹の不安を抱いてしまった。
(アリシアはかなりおてんば娘だから、彼女の従者となるといろいろ振り回されるかもしれないな〜。それにあのクソ神が厄介事に巻き込まれるとか言ってたし、、、)
そんなことを考えながら倉庫部屋に向かっていると、途中でアリシアに会った。そして、そこにいたアリシア目を奪われてしまった。
そこにいたアリシアはパーティーのためにドレスを身に付けており、とても5歳とは思えないほどの華麗さを纏っていた。
「あっ、シン。どう?似合ってる?」
「アリシじゃなくてお嬢様。よく似合っています。」
「えへへ。ありがと!シン。」
アリシアに笑顔を向けられ、オレは不覚にも少し動揺してしまった。
(馬鹿かオレは!まだアリシアは5歳だぞ!)
前世で女子とほとんど関係を持たなかった俺には耐性がないため、ドギマギしてしまう。
「オレは倉庫部屋に用があるため失礼します。」
動揺を悟られないためにオレは少し早足でその場を立ち去った。
「あっ。シン、、、もう少し話していたかったのに。」
後ろからアリシアがなにか言っているが内容まではよく分からないままオレは倉庫部屋へ急いだ。
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オレがあの後いくつか手伝いをしていると、お客さんが次第に集まりパーティーが開始された。
最初は当主であるギルザールの挨拶で始まり、その後アリシアが登場し、招待された客人に簡単な感謝をしていた。
この世界でのパーティーは地球での西洋のパーティーによく似ていた。会場には料理が並べられ、立食形式で食事をする。中盤になると演奏が始まりダンスが行われ、今はその2曲目に当たる。
その中でオレは何故か少しイラついていた。
このパーティーの主役であるアリシアも当然ながらダンスに参加する。ダンスの相手は招待客の息子だったりとまぁ自然な流れなのだが。オレは子供とはいっても彼らとは立場が違うので会場の端でアリシアを見ていた。
(落ち着かない。)
(どうも、アリシアを見ていると落ち着かない。これは嫉妬ではないぞ、これはあれだ。そう妹が可愛くて他の男に絡まれるのを見てイラつく兄のようなものだ。そうに違いない。)
・・・のはずだ
オレが自問自答していると、アリシアがこっちに気づいた。オレは控え目に手を振った。すると、アリシアはこちらに向かって来た。
そして、オレにこう言った。
「シン!踊ろ!」
アリシアはオレの手を取り、半ば強引に引っ張っていった。
「お嬢様?!何を考えてるんですか?」
「何って何?シンと踊りたいだけだよ?」
「踊りたいって、オレは招待されたわけでもないし貴族でもないんですよ。」
「えっそれがどうかしたの?」
「いや、その、オレは表舞台に立つべきではないというか。そもそもお嬢様がそうでもご主人様がどう考えるか、、とかありますし。」
「お父様の許可があればいいのね。分かったわ。お父様ー!シンと踊ってもいいー?」
周りの人がこちらを見てきた。オレは焦っているがアリシアは何も気にしていない。
『あの娘、従者と踊るの?』
『まだ子供だな。』
『可愛げがあっていいじゃないか。』
そんな声が聞こえてオレが更に焦っていると。何を思ったのかギルザールはこちらに向けて微笑みながら手で了承のサインを出した。
「ほらっ。シン、お父様もいいって。踊ろ!」
「は〜〜。分かりました。躍りましょう。」
オレは諦めアリシアと踊り始めた。ダンスは基本的な動きなら両親に教えてもらっていたので問題ない。それに
「あはは。楽しいねシン!」
アリシアが喜んでいるようでよかった。オレ自身も楽しかった。
オレとアリシアは小さい体ながらも一つ一つの動きに機敏さがあり、周りと比べると蝶のようにヒラヒラと踊って回った。
しばらくして曲が終わり、オレはアリシアと別れもとの場所に戻った。
(踊ってよかった。)
オレはこのパーティーに満足して父のもとへ向かった。
パーティーはダンスがあと1曲あり、閉会式があって終わった。
パーティー「は」無事に終わった。
偉い人は言った「フラグは立てるからこそフラグなのだ」と(笑)
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次回は明日の9時です。
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