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終末の魔王  作者: 南溟道人
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灰の幾何学模様

余が議場に駆け付けたとき。

畏れ多くも既に着座あらせられていた。

参上の遅れを詫び奉らんとした余を制して。

至尊は余の席を指した。

至尊を評するの不敬を敢てすれば。

故実を踏まえた所作などではなく…後の故実となる所作。礼楽征伐の源泉たる存在の行為そのものである。

当然のように戎装あらせられていた。

天地の正気に育った綿と、最先端の錬金技術で紡がれた樹脂を混ぜ織った服に。

誰の意匠によるのか灰色の濃淡で幾何学模様が染められていた。

だが。鉄筋コンクリートの建物などこちらの世界では余は知らぬ。

探索者や旅行者が古代遺跡や異界について語った、信憑性の疑わしい話でそれらしきものを聞いたことはあるのみだ。

だから市街用迷彩服などある訳がない。

やはり余と同じような転生者が太政官府…兵部、工部、あるいは宮内?にもいて。

国難の時節に前世の記憶を隠していられなくなったのか。

或は。

図形にこの世界では呪術的意味があって単なる迷彩ではないのか。

いずれにせよ。

天子がそのような出で立ちで会議を主催するのはいよいよ容易ならないことだ。

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