表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末の魔王  作者: 南溟道人
7/17

召集

鉛筆の芯が折れたらどうすればよいのでしょうか?

…thinking…thinking…thinking…thin。。

!kn!kn!

空転する余の思考を遮って。

ドアを敲く音。

少副・楠守屋(くすのきもりや)である。

「御注進。臨時参議会です」

(…!)

「臨時参議会か」

「御意」。

余は水道で顔を洗い。

炭素銃とメモ用紙を持って議場に急いだ。

楠少副が「お疲れ様です」といった類の語を省いたのは故実である。

他方。

緊急時にあって洗面したり所持品を調えたりするのは礼に反する。

あまつさえ。

出力を上げれば得物にもなる炭素銃を議場に持ち込むなど本来あり得ない。

だが。この際。

容儀を調えることと記録を取ることは重要だ。礼に反しても。

やはりだめだ。

前世の記憶にとらわれるのが余の悪癖である。

炭素銃の持込など…咎められれば大変なことだ。

それに今生の世界の礼には物理的基礎がある。

得物を議場に持ち込むことで国のマナを浪費したり反動で余が内傷を負うリスクも高い。

メモ帳も炭素銃も要らぬ。

指導者にして神祇伯たる余である。

聴いて憶えられぬ話ならそれは不急のデータだ。

余は議場に向かう。

メモによる記録を棄てて。

時間による忘却を超える創造のあることを

大いなる破壊に祈りつつ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ