喫茶 月
明里が子どもを産んで育て2年が過ぎた頃、
明里は光輝と出会った。
運命的な出会いではあったが、明里はそちらを
選ばなかった。
ある日太陽が娘をみておくから、
ひとり時間を楽しんでおいでと言ってくれたので、
お言葉に甘えて、明里はひとり街をぶらぶら
していた。
"喫茶 月"
明里の目にとまったお店。
吸い込まれるようにドアを開けそのお店に
入った。
そのお店は純喫茶という感じで、
女性のマスターがコーヒーを淹れていた。
いらっしゃいませ。
こんにちは。コーヒーください。
どうぞ、ここに座って。お待ちしてましたよ。
お待ちしてました?
明里は少し不思議なセリフだなと思ったが
特にそれほど気にしなかった。
そのマスターに言われた席に着くと、
マスターはコーヒーを出してくれた。
ブラックが飲めない明里であったが、その日は
何故かブラックで飲んでみようと思った。
すると、飲んだ瞬間、なんとも言えない感情が
明里を包んだ。
まるで光輝との出会いを思い出すような、
なんとなく懐かしいような。
ずっと前から知っていたような味。
美味しいですね、このコーヒー。すごく。
マスターは何も言わず優しく微笑んだ。
そして、マスターはおもむろに口を開いて
明里へ話をしだした。
あなた、今世では別れを選んだけど
大丈夫よ。
またどこかで逢えるから。
そう決まってるの。もう決まっているのよ。
大丈夫よ。安心して。
明里はその言葉を聴いた瞬間、
涙が止まらなかった。
それと、、とマスターがまたおもむろに話しだした。
あなたの身近な存在にも繋がっているふたりが
いるわね。
そのふたりはどうやら今世で結ばれそうよ。
まあ、一筋縄ではいかなさそうだけどね。
でもそれでいいのよ。大丈夫よ。
あなたはそれを見守ってあげて。
ふたりの成長を願ってあげることよ。
明里はその時はまだそれが何の話なのかは
分からなかったが、
とりあえずこのマスターには全てが
お見通しなのだなと思った。
その瞬間、
全てが分かる人間はいないわ。
私も私で日々成長し続けているのよ。
マスターはそう言ってまた優しく微笑んだ。
今、私の心詠んだよね?
明里はクスッと笑って、
マスターありがとうと一言つげ、
その店を出た。
家に帰ると太陽と娘が明里を
出迎えてくれた。
今世ではこの2人を守るのが私の使命。
ふと、明里はそう思った。
それから、、
多分、私は、多分だけど、アンドロメダ星人。
今は人間だけど。
そんな妙なセリフが明里の頭に浮かんだ。
明里はまたクスッとひとり笑うと、
太陽と娘のもとに駆け寄った。
今はそれが世界一幸せだと思った。




