生まれてきた意味
明里は昔から小さい子どもが好きで、
自分が生まれてきたのは
自分の子どもに会うためといつしか
思うようになっていた。
しかし、明里は精神安定剤を
飲み続けている。
何度も薬を減らしたり、やめてみたり、変えたりを
してきたがやっと今の処方が明里には合っている。
定期的に血液検査は必要だが、今のところ特に
飲み続けていても身体に異常は出ていない。
なので、死ぬまで飲み続けるつもりでいた。
しかし、薬を飲んでいたら妊娠してはいけないと
思っていたし、実際妊婦が飲んではいけない薬は
たくさんある。
自分の子どもに会うのが夢だったが、
それは叶わぬ夢だと思うようになった。
薬をやめることは人生が終わるのと同じだからだ。
明里は太陽と出会ってから、とんとん拍子で
付き合って結婚というゴールインをした。
太陽は明里の事を本当に大事にしてくれていた。
結婚する少し前、生理の調子が悪かったので、
婦人科で診てもらったら少し異常が見つかった。
今すぐどうこうということではなかったが、
太陽にその事を話すともう一度しっかり
診てもらう方がいいと勧められた。
そこで、明里は婦人科に再び行き、診てもらうと
もう異常はなくなっていた。
しかし、そこから子どもについて考えるようになった
明里だった。
もし、太陽と結婚しても
子どもは産めないよな。それを結婚する前に
伝えないと。
そもそも安定剤飲んでることもまだ伝えてないし。
明里は一度、心療内科の先生の所に話をしに行く
ことにした。
すると、明里はその日衝撃的な話を主治医から
聞くことになる。
なんと、明里の飲んでいる薬は妊娠しても
飲み続けていい薬だったのだ。
つまり子どもを産むことはできる。
明里はなんとも言えない感情が湧き上がってきた。
知らなかった。
大丈夫だったんだ。
明里はついに太陽からプロポーズを受けた。
その翌日、明里は安定剤を飲んでいること、
子どもは産めないかもと悩んでいたことを
太陽に全て打ち明けた。
すると太陽は、
仮に子どもが産めなくても俺は明里と
結婚してたよ?
と明里の全てを受け入れてくれた。
明里はプロポーズしてもらった日以上に
その日が記憶に残る日になった。
生きててよかった。
心からそう思った明里であった。




