悪天候
明里は毎日が"憂鬱"という言葉では
片付けられないほどつらかった。
死にそうになりながら学校へ行って
くたくたになって帰ってきて、
家でも完全に休まることはない。
毎晩、楽に死ねる方法を考えていた。
そんな明里を見かねた母が
心療内科に連れて行ってくれた。
心理テストや医者からの診察を受けて、
特に病名をもらった訳ではないが
その症状にあった薬を処方してもらった。
薬のお陰か明里は少し元気になった。
休みがちだった学校にも行けるようになった。
しかし、薬の副作用で眠気が酷かった。
しかも薬を飲んでいるからといって、全ての
身体の症状が良くなって消え去ったわけではない。
その為、色んな薬を試しては副作用に苦しまされ、
調子が良くなったと思って、薬の量を減らしては
また不調を繰り返し、とそんな日々を送っていた。
そんな明里も社会人になった。
その頃飲む薬は安定していて
なんとか社会で働く事ができていた。
しかし、仕事のストレスで元々華奢だった身体は
誰から見ても異常なほど細くなっていた。
限界だった。
明里はずっと通っていた病院を変えることにした。
その主治医に病院を変えたい事を伝えると、
病院変えたとこで治らないよ?
と衝撃の言葉を言われた。
この症状が治らないなんて、別に完全に
なくなる事を望んでいるわけではなかったが
医者がはっきりそんな事を言うなんて、
やはりどちらにせよ、この医者とは早く
離れた方がいいと思った。
紹介状を書いてもらって
自分が見つけた心療内科で初診を受けた明里。
その主治医のお陰で、今の明里がいると言っても
過言ではない。
前の医者は依存性のある長く飲み続けてはいけない
薬を長く処方していた。
明里はやはりあの先生から離れて正解だったと
改めて思った。
そこから、新たに薬の調整が始まった。
その調整の間、明里の身体は壊れそうだった。
死にたいとは別の、とにかく計り知れない不安で
押しつぶされそうになっていた。
その時の仕事も辞めることになった。
しかし、その永遠のように感じた闇も
自分に合った薬を新しい主治医が見つけて
くれたお陰で抜け出していく事ができた。
いくつか職を転々としていたが、
契約社員として働く道を選んだ。
正社員で働くのは明里には合わなかった。
そう決めて働きだしてからはかなり心身ともに
落ち着いていた明里だった。
明里はずっと、その日の天気が雨や曇りなどの
暗い日の方が落ち着くと思っていた。
晴れの日は太陽が眩しすぎて辛かった。
しかしいつの間にか晴れの日も明里は
嫌ではなくなっていた。




