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魔力測定

新入生はまず最初にそれぞれの魔法属性と魔力量を測定することになっている。


なので入学式が終わり、組分けが終わるとその足で全員運動場に集められた。


測定結果に応じて班分けをしていくためだ。


測定関しては貴族も平民もなく公平かつ厳密に測定されて記録される。


そして、ここでの測定結果が生徒達の最初の評価ランクに直結するのだ。


より良い学園生活をスタートさせる為にこれは絶対に外せない最初の試練でもあった。


「これより魔力測定を始める!呼ばれたものは前に出てグリモアールを出して見せなさい!」


バルクアップとパンプアップはそれぞれ貴族クラスと平民クラスを測定する。


「貴族クラス一番、中井彗星!」


「はい。」


「平民クラス一番、ケンジ!」


「はい!」


二人が前に出る。


中井彗星は金髪の青い目をした少年で、筋肉質だがわりとぽっちゃりしている。


制服の下に赤いシャツを着たスカした野郎だ。


そして一方のケンジはというと、こんがり日焼けしたサーフィンでもしてそうな歯が白い少年。


とても対照的だ。


二人は前に出るとグリモアールを出現させる。


中井彗星は火属性、ケンジは水属性のグリモアールだ。


バルクアップは中井彗星の魔力量を測定水晶で測る。


「中井彗星、魔力レベル320!」


その声にどよめきが起こる。


「おおお、いきなりか。」


「平均の3倍の魔力量だ。」


「すげえ。」


中井彗星はほくそ笑む。


「フフン。どうだ。」


そしてパンプアップもケンジを測定する。


「ケンジ!魔力レベル120!」


「ふつうだな。」


「うん、ふつうだ。」


そんな声にケンジは少し残念そうに


「ハガユイね。。。」


と、苦笑い。


笑顔に光る歯が白い。


中井彗星にはハガたたず。


ケンジはハガゆそうだ。


そうして最初の二人は測定を終えた。


「次、貴族クラス二番、小島いっこく!」


「はい!」


「平民クラス二番、カズミ!」


「はい。」


ズシリと一歩前に出たカズミの姿を見て一同はザワザワとどよめきたつ。


「スゲェ。。。」


「凄い魔ッスルだ。。」


「ステキね。」


「美しい、、、」


皆、羨望せんぼうのまなざしでカズミを見ているが当のカズミは少し居心地が悪そうだ。


恥ずかしがり屋のカズミはあまり注目されるのは好きではないのだ。


しかし、そんな少しモジモジする様子がまた皆に好印象を与えていた。


そうして前に出た二人はまた同じ様にグリモアールを出す。


カズミのグリモアールは相変わらず禍々(まがまが)しい闇のオーラを溢れさせている。


そんなカズミのグリモアールを見ると、生徒たちはまたしてもざわめきだった。


「や、闇属性だ、、、」


「初めて見た。スゲェ、、、」


「闇属性であの筋肉量。。。まるで。。。」


「それにあの気品溢れた美しいお姿。。。」


中井彗星はそんなカズミに驚いた様子。


「闇属性だと?まさかな。時代が変わったとでも言うのか?」


と身を乗り出していた。


「小島いっこく、木属性、魔力レベル70!」


「カズミ、闇属性、魔力レベル、、、これは凄い

、1800!!」


これを聞いて大きなどよめき起こる。


「おおおお!」


「あり得ねぇ!!」


「凄い!凄いな!」


これにはパンプアップ先生も驚きを隠せなかった。


「これはとんでもないな、しかもまだ始まりのグリモアールじゃないか。。。末恐ろしい。。。」


陽の光がカズミの頭に反射してまるで後光の様に見える。


闇のオーラから初日の出が出たようなカズミの姿はまるで地獄に咲き輝く一輪のはすの花のようだった。


「ありがたいお姿だわ。」


「ま、まるで権現様ごんげんさまだ。。。」


「本当だ、、、」


「ありがたや。」


「カズミ権現様!」


中には涙を流すものや手を合わせて拝み始める生徒までいる。


ちなみに権現様とは、仏さまが仮の姿で人の世に姿を表すことを言う。


そんな興奮覚めやまぬ中、次はいよいよグシケン達の番だ。


「貴族クラス3番、魔根マネパキオ!」


「平民クラス3番、グシケン!」


この二人のグリモアールは異彩を放っていた。


まず、パキオだ


彼は足の筋肉が凄い。


相当な瞬発力が予想できる。


口髭くちひげもグシケンに劣らずダンディだ。


そんなパキオがグリモアールを出現させる。


黄色に輝くそのグリモアールにはダンディなヒゲがついている。


そう、ヒゲ属性のグリモアールだ。


「パキオ!これも珍しい!ヒゲ属性、魔力レベル、600!」


「うおおお!カズミの後で霞んで見えるけどこっちも凄いぞ!」


「パキオー!」


興奮覚めやらぬ中、次はいよいよグシケンだ。


グシケンの頭上にグリモアールが現れてゆっくりと降りてくる。


黄金の輝きだ。


「な、なんだあのグリモアールは?これも珍しいぞ!?」


ザワザワとする中、なかなか属性と魔力レベルの発表がない。


「どうした!?」


「何かあったのか?」


我を忘れていたパンプアップ先生はハッとしたように我に帰ると


「し、信じられん。園長以外でこんなデタラメな数値は初めてだ、、、」


と、息を呑んだ。


「は、発表する。みんな落ち着いて聞け!」


その雰囲気に誰もが緊張して先生の言葉を待った。


「グシケン、アフロ属性、、、魔力レベル、12万6000、、、!」








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