時を越えるオルゴール、美しさは色褪せず
「ようこそいらっしゃいました──!」
桜木町の桜が咲き誇る中でも、特に桜が綺麗に咲き誇る土地にアンさんの骨董品屋さんはお店を構えていた。
「すごい──」
隣でジミーが驚いているが、僕も同じだ。
この桜木町は海外とのアクセスも良いから、良くアンティーク品も流れて来るが、アンさんのお店はそういった物を取り扱うスペシャリストのお店だったらしい。
「早速、修理人も来ていますので──どうぞ、こちらへ」
は、はい──!
ジミーと僕は返事をしつつ、奥の応接室へと案内して貰う。
お店のスタッフの子だろうか?
女性の方が僕たちへとコーヒーを入れてくれると、もう少々お待ちくださいませと頭を下げて応接室から出ていく。
それと同じくらいに修理人の方とアンさんが応接室へと入ってくるのだった。
「こちらがそのオルゴールになります──」
「「あの頃のままだ」」
僕たちは成長してしまって、子供の頃に見たオルゴールは時を越えてもそのまま……、いや更に綺麗になったような深みが出たように思えた。
「では、鳴らしますね……」
そして、あの頃は巻けなかったゼンマイ部分が修理人の手で巻かれていく──。
チャンチャンチャ──タララン─タタ──
オルゴールの音は綺麗に鳴り響いていた。
その美しさは色褪せる事なく、応接室内へと響いていた。
そして──。
カチャ──。
と、音が鳴り響いて曲が終わると何かの仕掛けが外れるような音がするのだった。
「えっと──?」
「実は修理している最中で何かのギミックがあるような手応えがありまして──私もこの時まで鳴らさずにいたのです。どうかお確かめを……」
ジミーの疑問の声に修理人が応えてくれて、ジミーは頷きながらもオルゴールの仕掛けが外れた棚を開いていく──。
そこにはあの金庫? 箱の解除する鍵だと思われるものが出てきたのだった。
「「────!!」」
つづる──!
と、ジミーが嬉しそうな、そして驚きを隠せない顔で僕を見てくる。
きっと僕も似たような表情なのだろう。
ジミーへと嬉しそうに微笑みながら頷くのだった。
「「ありがとうございました!!」」
と、アンさんと修理人へとお礼を述べる。
費用に関して聞いたのだが、ジミーの祖父が先に前払いしていたようで、それで良いとの話だった。
そして、その足で僕たちはジミーの家へと急ぎ戻るのだった。