遺品と謎③
ヒント探しを始めて数日──。
どこか、ジミーも疲れ始めて来た頃に転機が訪れた。
「つづる! つづる! こっちに来てくれ!」
ジミーの嬉しそうな声に導かれて行くとジミーの幼少の頃から書いていた探偵ノートから、箱から現れたのと同様のメモ用紙が現れたのだった。
「探偵ノート──! 懐かしいね」
うん──!
ジミーが屈託無く笑っている。
ちょっとその笑顔に見惚れてしまっていたが、その探偵ノートは僕とジミーが幼少の頃に探偵ごっこに憧れて、そして探偵は良くメモをするという、良く分からない理由から始めた日々の探偵記録をまとめた日記みたいなものだった。
「それにしても──」
「あっ、そんなに見ないでよ──」
恥ずかしいから──。
ジミーの本棚を見ると今現在も探偵ノートは続いてるのが分かった。
一冊だけ手に取らせて貰って中身を見させて貰ったら、探偵記録と言うよりは日々の生活の中の話や僕との話もチラホラと見えた。
「ちょ、ちょっと──恥ずかしいからそんなにジロジロと読まないでよ……」
あっ、ごめんごめん。
軽く断りを入れて探偵ノートを戻すと、改めてジミーからメモ用紙を渡して貰って2人で中身を見てみると──。
「この桜木町で珍しい桜が咲き誇る、私たちの所縁の場所へ」
そう、メモが残されていた。
「私たちっていうのはジミーのおじいちゃん、おばあちゃんの事だよね?」
「珍しい桜──? この桜木町はどこも桜が咲き誇ってるから珍しいのか……」
2人で首をひねりながら、ジミーのおばあちゃんに訪ねると──。
「それはあそこじゃないのかねぇ……」
ジミーのおばあちゃんも最近はこの探偵ごっこの影響か、以前と同じくとは言えないが、どこか明るくなった表情の中、どこか懐かしみながら地図を持ってきて、その場所を丸く書いてくれて場所を教えてくれた。
「ここって、おばあちゃん? 喫茶店?」
「うんうん、あの人と出会ってからずっと良く通ってる場所なんだよ。それにあそこの桜はこの桜木町では珍しい白い桜が咲き誇るんだよ。良くあの人はそれを見て私と出会えたのはこの桜のお陰と言ってたものなんだよ」
そう懐かしそうにおばあちゃんは話してくれた。
2人が出会ったのは喫茶店だったけれども、その喫茶店に導いたのはその白い桜の美しさだったと。
ジミーの祖父は桜に見惚れて、この桜木町に来たのだけれども──その中で特に目を惹いたその白い桜に奪われて、更にそこで美しい女性……、ジミーのおばあちゃんにあったという事だった。
どこか、懐かしみながらも照れながらジミーのおばあちゃんは話してくれたのだった。
「つづる? 明日放課後行ってみよう! ──いいよね?」
「当たり前だろ? 一緒に謎を解き明かそう」
うん──!
っと、ジミーは嬉しそうに頷くのだった。
そして、明日は放課後ジミーと一緒に白い桜の咲き誇る喫茶店へと向かうのだった。