遺品と謎②
「ヒントは祖母が欲しいものを見つける?」
そんなヒントがメモ帳──ノートには書かれていて僕は首をひねる。
「それでおばあちゃんに聞いてみたのだけれども、おばあちゃん──ずっと忘れないオルゴールがあるみたいで……」
それは壊れたオルゴールらしくて、ある日気付いた時には失ってしまってずっと探していたみたいだった。
「あぁ、それなら聞いたことがある」
そう、聞いたことがあった。
ジミーの祖父がプロポーズの際に渡したというオルゴールの話だ。
まだジミーと僕が幼かった頃に見せて貰った事があったが、その時には壊れてしまっていて鳴ることは無くて、ジミーのおばあちゃんは凄く悲しそうな表情をしていたのが子供心に印象的だった。
「でも、それだけだと分からなくない? もっと、ヒントは無いのかな?」
僕の素直な意見だった。
そのオルゴールがヒントだとしても、探す手が見つからない。
推理するにしても材料が足りないのは良くないものだ。
いつだって推理小説もいくつかのヒントが散りばめられてるものだ。
「うん、だから……つづるに手伝って貰いたくて呼んだんだ」
そう、ジミーが少しだけ照れくさそうに言ってきた。
そっか──。
ちょっとだけ、頼られたのも嬉しくて。
そして、久しぶりに子供心のようにまた2人で探偵ごっこが出来る気持ちが沸き上がって僕とジミーはヒントを探すためにジミーの家をくまなくヒントを探し始めるのだった。