遺品と謎
「今日、放課後一緒に家に来てくれないかな?」
ジミーからは久しぶりの通知がそれだった。
僕は当たり前にOKと返して送ると、ジミーからはありがとうと言葉が折り返し返ってきた。
どうしんたんだろうか──。
祖父との別れから数日、ジミーは初めて見るくらいに落ち込んでいた。
その落ち込みようは本当に心配するレベルで元気付けようと頑張ったがその度に無理した笑顔をさせてしまって内心、僕は凄く慌てていた日々だった。
そんなジミーからの連絡。
何も無いはずはないと思った。
そして、放課後ジミーと校門で待ち合わせてジミーの家へと向かうのだった。
校門で会ったジミーは今までの落ち込んでいた表情とは違って、どこかソワソワとしたような不思議な雰囲気を纏っていて──。
「ジミー? 何かあったのか?」
「と、とりあえず──着いてきて」
それだけを言い残して、僕の手を引っ張ってジミーの家へと足を急がせたのだった。
「お邪魔します──」
久しぶりのジミーの家に入るとジミーに導かれるように祖父の部屋へと案内される。
「これを見て欲しいんだ」
そう、ジミーに言われて見てみると小さな金庫? と合わせてメモ帳みたいなノートが目の前に出されていた。
これはなんだろう──?
ジミーから聞くと流石に遺品整理をしないといけないと祖母と2人で片付け始めたら、目に入るようにこれが出てきたと言うことだった。
「机の上を片付けていたらコトッて音がしたと思ったら出てきたんだ!」
ジミーも僕もその手の仕掛けは好きだ。
机に予め仕掛けを施して、片付ける最中にそれが引き金で糸とかで箱へ仕掛けを施して出てくるようにしていたみたいだった。
けれど、どうして──?
そう思いながらも箱と一緒に出てきたノートを見てみると中には祖父からの謎の挑戦状とヒントが書かれているのが目に入ったのだった。