05 ひとつめ
彼女たちの旅の目的はふたつあるそう。
まずはひとつめ、人探し。
行方不明の母娘を探そう。
旅のあいま、同郷のアランさんのお屋敷にご厄介になっていたモノカさん一同。
サキュバスメイドのニエルさんから尋ね人の依頼を受けた。
ニエルさんて魔族なんだ、私も魔族ハーフなんでご本人にお逢いしたいな。
なんでも尋ね人さんも魔族で、魔族領生まれのお嬢さまだとか。
なんかちょっと似てるよね、お母さんと。
お嬢さまは人族の貴族と結婚して、当時人族領に来たばかりで頼る人がいなかったニエルさんを雇い、ふたりは親友に。
優しい人なんだね。 まあ正確には優しい魔族ってことだけど、お母さんを見てると人族だ魔族だなんて区別するのは意味ないよって分かるもの。
やがてお嬢さまに可愛い女の子が産まれました。
いいよねそうこなくっちゃ。 やっぱりハッピーエンドが一番。
え、なんでそこで権力争いに巻き込まれちゃうの。
駄目だよ、それじゃ私とお母さんみたいになっちゃうよ。
そこでセシエラさんのご主人が母娘を救出、よっしゃそうこなくっちゃね。
って、なんで森の奥に行っちゃうの。
それじゃまるで私たちだ。
ご主人がお亡くなりになって、ふたりは森で行方不明に……
それは、わたしたちだ。
涙、出てきちゃった。
ごめんマクラちゃん、心配かけちゃってって、
ダメだぞ私、マクラちゃんが不安そうにしてるじゃないの。
ハグして安心させなきゃって、
マクラちゃんがその手に持ってるのって、
「お母さんのポーチだ」