砂漠をふたり 2
「なぁ、やっぱ俺も冒険者登録しようかなぁ」
ガルムは、む、と眉間に皺を寄せて、俺を見下ろした。
195もある長身で、外国人俳優のアレッ○ス・○ティファー似の顔と、深い琥珀色の綺麗な瞳に見つめられて、内心ドキッと胸がときめくのはご愛嬌で(苦笑)
なよっちぃ細身の美男子より、ガッシリ系の頼りがいのある美青年が好みなのだからしょうがない。
かくゆう今の自分の姿は、俳優の美青年ウィ○アム・フ○ンクリン・ミラーに似た顔で、176の長身。
「主は商人になって稼ぐんじゃなかったのか?
荒事は嫌だとか、めんどくさいとか言ってただろう」
ガルムの低い声。
だが、心地いい声だ。
ガルムの肉体年齢は22歳だが雰囲気に貫禄がある。
強い太陽光でフードからはみ出した黒赤色した短髪の毛先が透けて赤い。
「そりゃあ、なぁ。この世界に来たばっかりだったし、虫多いし、霹靂してたしなぁ。
街で、家でのんびり暮らしたいって思ったさ。
でも旅を始めてお前っていう相棒もできてさ、この1週間で、お前と冒険者も悪くないな、って思えてきちまったんだよ」
「理解んだろ?この気持ち。俺の半身なんだから、お前」男言葉を自然と使うようになった俺が、気持ちでも、異性の体にも馴れ、男としての生き方を模索始めていて言外に引っくるめてそう言ったら、ガルムはふいっと前を向いて、ニヤ、っとニヒルに唇を歪ませた。
(あ。笑った)
ガルムのこんな表情が好きだ、と思う。
武骨そうで寡黙で無表情に近く、でも文字通り自分の血肉を分けて創造魔法で創ったガルムと名付けた、人間の姿でありかごら人間ではない、この魔法生命体が、好きだ。