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Double Lotus  作者: 橘塞人
Chapter5:トラベル・パスBランク試験
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Act.080:開会式

 開会の予告がアナウンスされてすぐ、フィールドにある二つのゲート、北と南の内のまず北側が開かれた。そして、開かれた瞬間にその中からそれぞれ楽器を手にした人々が入って来て、ゲートを出てすぐに左右に分かれて弧を描くように整列していった。楽器隊の全員が並び終わると、指揮者が一礼した後、さっとタクトを取る。

 吹奏楽を中心とした楽隊によって、軽快なマーチが演奏される。それに伴い、北ゲートからは女性ダンサー達が駆けながら入場してくる。彼女達は音楽に合わせ、軽快で華麗なダンスを披露する。そうして観客を少々楽しませた後、そのダンサー達が左右に分かれて、その中からこの試験の司会兼審判となった若い女性が歩いて現れた。

 そのワイヤレスのヘッドホンマイクをつけた司会者は、観客とカメラに向かって切り出す。


『皆様、大変お待たせ致しました。只今よりアレクサンドリア連邦トラベル・パスBクラス試験、本試験開会式の始まりです』


 そして、まだ開かぬ南ゲートに手を翳す。


『それでは、選手入場です。どうぞ!』


 その言葉と同時に、南ゲートが開かれる。ゲートの上のオーロラビジョンにはアレクサンドリア連邦の国旗が大きく映し出され、ゲートの左右からはパイロが景気良く爆発して、それを派手に演出する。そのパイロの音がフェイドアウトし始めたその時、止んでいたブラスバンドが再び演奏を始める。そして、ダンサーが逸れに併せてダンスを披露する。それと一緒に、先導の女性に導かれながら、カオス達16人の選手は入場するのだ。


『皆様、拍手でお迎え下さい』


 南ゲートから、先導の女性の後を1列となって、戦う順番から入場させられていく。選手の中では1番先頭であるジェイク・Dの姿が見え始めると、観客の中から割れんばかりの拍手と、大きな歓声が起こり始めた。

 吹奏楽による演奏、ダンサーによるダンスの披露、パイロによる派手な演出、観客による拍手と歓声、それらが組み合わさって、開会式は非常に賑やかなものとなっていた。

 その様子を、特別な要人しか入れない特別観覧席でマリフェリアスは見ていた。その顔は、少しひきつっていた。紅茶を飲みながら、マリフェリアスは思う。

 これは、明らかにやり過ぎだろう。



◆◇◆◇◆



 それはそれとして、開会式の選手入場は順調に進んでいく。順番に入ってくる選手を、ヘッドホンマイクをつけた司会者が順に紹介していく。


『それでは、順番に選手の皆さんの紹介をしていきま~す♪』


 まずは先導の後ろ約2メートル離れて歩く、ガラの悪そうな男に手を向ける。


『まずはジェイク・D! 本戦は4回目の出場となります! アレクサンドリア連邦の南部の都市、ラルヴァからやって来ました。今年こそ騎士という栄冠は掴めるのか!』


 その司会の紹介と共に、観客の歓声は津波のように大きく上がる。そして、その殆どが「頑張れ」とか「負けるな」など、選手を激励するものであった。

 司会はそのボルテージが冷めない内に次の選手を紹介する。そのジェイク・Dの後ろを同じ間合いを開けて歩かされているマスクを被った不健康そうな男だ。


『続いて、Dr.ラークレイ! 5回目の出場となります! イカルス連合の西部の町、ポッサムからやって参りました。新たな力を携えた上での再挑戦だそうです! 非常に楽しみです!』

「ラークレイ! ラークレイ!」


 Dr.ラークレイと同じように、不健康なジャンキー的な連中から大きな歓声が起こった。やはり、類は友を呼ぶようだ。

 司会はそこからさらに後ろの者を紹介していく。次は奇妙なメイク、奇妙な服装をした不気味な雰囲気の長髪の男だ。


『そして、初出場! ナイヤ・ソヴィンスカヤ! エスペリア共和国北西部、バアロノス村からやって来ました。初めての大舞台、自分の実力を100%発揮してもらいたいものです!』

「…………」


 特別観覧席からエスペリアの元国王、マリフェリアスはその入場の様子を見ていた。エスペリアという言葉に反応して、その男の方を凝視してみたのだが、どうやら知った顔ではなかったようだ。


「全然知らない男だわ。聞いたこともない」


 そして彼女は、興味なさ気に視線を別の所に移してしまったのだった。

 その間も、司会は次の者を紹介する。次は、そのナイヤと対戦するリスティアだ。


『続いて初出場、リスティア・フォースリーゼ。ここ、首都アレクサンドリアの出身です』


 地元の出身。その解説がされると、観客も地元の人間が多いのだろう、その中からよりいっそう大きな歓声と拍手が沸き起こった。


「リスティア! リスティア! リスティア!」

『おお~っと、地元出身の為か人一倍凄い声援です』


 リスティアはそのまま無愛想にしているのもナンと考えて、観客席に向かって手を振っている。その後ろを、また選手が均等の間隔で歩いている。司会は、次の者を紹介する。


『続いて、魔導会のアイドルのケヴィン・アノス! 2回目の出場となります。アレクサンドリア連邦の西部、アルジャーノ出身です。今年はどのような技を見せてくれるのでしょうか? 非常に楽しみです』


 その司会の声は殆ど聞こえない。観客の女性陣から、とてつもなく大きな黄色い声援が飛んでいたからだ。ガラの悪そうな男(ジェイク・D)、不気味な容姿の男(Dr.ラークレイ&ナイヤ・ソヴィンスカヤ)、そんな中でイケメンの部類に属するケヴィンは、彼女等にとって一種の清涼剤のようなものなのだろう。


「ケヴィン! ケヴィーンッ!」

『女性からの黄色い声援がたくさん飛び交っております!』


 ケヴィンはその声援に向かって笑顔で、そしてとても愛想良く手を振った。その様は、アイドルと呼ぶに相応しいものであった。その後ろを、彼と対戦することとなったルナが歩いていた。司会者は続いてルナを紹介する。


『続いて、ルナ・カーマイン。アレクサンドリア連邦の東部、ルクレルコ・タウンの出身です。そして、そのルクレルコ魔導学院の生徒でもあります』

「ルナ、頑張れー!」


 サラとアメリアは、大観衆の声に飲み込まれるとは分かっていても、喉が枯れんばかりに大声でルナを応援する。そして、その間も司会はルナの紹介を行う。


『そして、世界で3人しか居ないエスペリア共和国のBクラスパスの所持者でもあります。初出場と言えど、侮れない相手となりましょう!』


 何? エスペリア共和国のBクラスパスの所持者だと?

 ケヴィンは反応する。対戦相手ともあり、多少なりとも意識をしていたからだ。そして、そこで当初はどの程度やるのか分からないから、最初は様子見をしながら戦っていこうという考えが、最初から思い切りやっていこうという考えに変更されたのだった。

 司会者は次の者を紹介してゆく。次は、すっぽりとフードを被った怪しい人物だ。


『さらに初出場のアッシュ! 出身地は不明です。本人も良く分からないそうです。資料が殆ど無いので良く分かりませんが、頑張って下さい!』


 アッシュは静かに歩いていく。そんなアッシュのすっぽりと被ったフードの中から、無表情で黒い顔がチラリとのぞいた。その姿を見て、観客が少々どよめく。


「ぶ、不気味な奴」

「何か怪しいな。どーでもいいけど」


 司会者の紹介はその後ろの者へと続く。次の者は、とてつもない大男だ。髪はドレッドヘアーで、顔つきも鋭く、迫力満点だ。


『そしてまたまた初出場、クライド! オースラキア王国の西部、モラー島からやって来ました。身長2メートル50、体重260kgと、今大会で最も大柄な選手です。まるで山のようです!』


 観客からアッシュの時とは別の意味のどよめきが起こった。


「でっかっ!」

「あの大きさは一種の反則だろう」


 163cmと今大会で最も小柄な選手であるアッシュの後ろを歩いているせいか、その大きさは観衆にはとてつもないものに見えたのだ。そんな対比が無くても凄まじいだろうけど。

 紹介は次の選手へと向かう。次は戦う中年親父、オーディンだ。


『続いて6回目の出場であるオーディン・サスグェール! 生まれも育ちも首都アレクサンドリアです。今までは優勝者と当たってしまったりして運の無かった彼ですが、それ以上の力を身につけて栄冠を狙います!』

「オーディン! オーディン!」


 観客、特に男連中を中心とした歓声が飛ぶ。敗れても敗れても、年を取っても尚、さらなる力を身につけて挑戦してゆくストイックなオーディンの姿は、同性の共感や憧れを生んだらしい。その為、男のファンが多いようだ。

 そして、紹介は次の選手に移っていく。次はこぼれんばかりの巨乳、猫のような見た目のベスだ。


『続いて初出場のベス。アレクサンドリア連邦中部の都市、イリス出身です。』


 ベスは耳、もとい髪を揺らしながら普通に歩いている。初めて見たであろう大観衆等も特に気に留めた雰囲気は無かった。マイペースだ。そして、観客もそのセクシーさに気を取られる男は居れど、その容姿に関して気に留める者はいなかった。魔族は別にして、エルフやホビビット等のデミヒューマンにも受験資格は与えられているので、そのようなことはどうでもいいのだ。

 選手紹介は次の者に移る。


『そして初出場、デオドラント・マスク。アレクサンドリア連邦首都、アレクサンドリアの出身です』


 今度はその姿に観客のどよめきが起こる。奇妙なマスクに、その佇まい、人間のそれには見えなかったからだ。


「何アレ、機械?」

「さ、さあ?」

『何だか良く分かりませんが、一応人間のようです。オッケーです。頑張って下さい!』


 その観客の声に応えるかのように、司会からフォローになってるんだかなってないんだか良く分からない解説の声が添えられた。そして、そのまま紹介は次の選手に移っていく。


『次も初出場、コルラ・モルコーネ。アレクサンドリア連邦東部の港町、アヒタルの出身です。現役警察官としての誇りをぶつけてくれるそうです』


 その司会の声と共に、観客席から拍手が沸き起こった。その拍手と歓声にコルラは驚きながらも、その厚意に対して敬礼という形でキッチリと返したのだった。


『おお~っと、現役警察官らしく敬礼で観客に応えます!』


 そして、そのままスムーズに次の選手へと紹介は移る。


『次は2回目の出場、首都アレクサンドリア出身のクロード・ユンハースです!』


 長髪で気障、クールなイメージのする少女マンガに出てきそうな男であり、実力も兼ね備えた男の登場に観客席の女性を中心とした黄色い歓声が飛び交った。


「キャーッ、クロード様ーッ!!」

「もうっ、最高っ!!」

『女性から凄い歓声が飛びます! そして、クロード選手もそれに応えます』


 綺麗な形で、クロードは手を振って観客の声援に応える。その後ろを、スカーフェイスで不気味な佇まいをしたガイルが歩く。司会の紹介が、すぐにそのガイルへと移った。


『続いて初出場のガイル! アレクサンドリア連邦の西部の町、ムールの出身です! 溢れんばかりの力を余すところなくぶつけてもらいたいものです!』


 その司会の応援的な紹介とは裏腹に、観客の拍手と歓声はまばらであった。やはり、見た目に難があるとそうなってしまうようだ。女だけでなく、男も眉をしかめる。


「何だ、ありゃ? キモイ野郎だな」

「何か前科でもあるんじゃない? 怖ぁ~い」


 そのフォローはないまま…出来ぬまま、そのキモイと言われ続けてる散々な男の後ろを歩く男に、その紹介は移っていく。緊張で、古いロボットのように動きがぎこちなくなっている、身体の割に肝の小さい男アレックスだ。


『そして、次も初出場のアレックス・バーント。アレクサンドリア連邦東部のルクレルコ・タウン出身で、彼もまたルクレルコ魔導学院の生徒であります』


 その紹介が聞こえてるのか聞こえていないのか、アレックスはぎこちない動きのままに歩いている。その姿を見て、サラは笑う。


「おーおー、開会式からあんなにガチガチに緊張しちゃって。本番になったらどうするつもりなんかね~」


 アレックスのことをサラとアメリアが笑っていると、選手の紹介はやっと最後のカオスにまで辿り着いた。司会はカオスを紹介する。


『最後の選手です。最後の選手も、また初出場。カオス・ハーティリー!』

「や~っと出番か~」


 最後まで待たされたカオスは、面倒臭そうにダラダラと最後尾を歩いていた。そのだらしない姿を見てか見てないでかは分からないが、その間も司会によるカオスの紹介はスムーズに行われる。


『アレクサンドリア連邦東部、ルクレルコ・タウン出身です』


 ほう、あっちの方の人間なのか……

 カオスのアーミット・ムーリとの対戦を見ていたクロードは、行進しながらもその司会による紹介に耳を傾けていた。もっとも、そんな表面上の紹介だけで後々行われるであろう対戦に何かしらの役に立つとは思ってはいなかったけれど。

 司会による紹介は続く。


『彼もまた、ルクレルコ魔導学院の生徒であり、なおかつエスペリア共和国のBクラスパスの所持者でもあります。ルナ選手と一緒です』


 ばらすなよ。どうでもいいけど……

 自分の紹介が耳に入ったカオスは、そのように思うだけだった。そして、こんな面倒な式をとっとと終わらせて、俺をひっこめてくれと思うだけだったのだ。

 カオスの紹介については、カオスの応援に来たマリア達は全て知っている内容なので、今更ながらに驚いたりはしない。サラも、ただ応援をしてやろうと思っただけだ。そして、声を出して応援しようとした。


「カオスだ。頑張」


 その時だった。サラ達の席の後方から、大勢の女性の声援が飛んだ。


「キャーッ、本物だ!」

「映像は見たけど、やっぱりカッコイー!」

「カオス! カオス! カオス!」

「って、何?」


 予想外の出来事に、サラは声が出せなくなっていた。初出場でもリスティアのように地元の人間や、複数回出ている人間に大きな声援が飛ぶのは分かるが、その両方に当てはまらないカオスにそんな大きな声援が飛ぶとは思わなかったのだ。

 司会も、驚きの言葉をアナウンスする。


『お~っと、初出場ながら凄い女性の応援です!』


 黄色い声援が飛ぶ。飛ぶ。乱れ飛ぶ。

 そんな後ろの声を耳にしながら、アレックスの不機嫌度は一気に増していった。自分にはそんなのはなかったのに、カオスには女性陣から凄い声援が飛んだ。男として、それは非常に面白くないからだ。

 その一方でカオスも、それまではどうでもいいように歩いていただけだったが、さすがにその女性陣の自分への声援に気付く。自分の名前がきちんとコールされているので、女性に対して愛想良く手を振り返す。そう、女性に対して。


『カオス選手、愛想良くそれに応じます。おおっと、投げキッスまでしました! これはちょっとやり過ぎです!』


 やり過ぎと、司会は言う。けれど、ファンと化した女性陣は勿論その返しに大喜びするだけであった。その様を、マリアとリニアの教師2人は、苦笑いをしながら見守っていた。


「元々そういう奴だよ、カオスは」

「そうね~」

「姉として、ああいう弟でいいのか?」

「あの子の持ち味は自由の中にあるから。あれもダメ、これもダメと言ってしまったら、その持ち味を摘んでしまいかねないのよ~」

「ああ、そんな感じはあるな」


 そんな教育者二人を放って、観客に一通りその姿を披露した16人の選手が、先導に導かれてフィールドの中心に集められた。その彼等の前に、特設的にマイクと一体化している机が置かれてある。そこで開会式を行い、喋る人がそこで喋るという事だ。

 最後のカオスがそこにやって来ると、楽隊とダンサーによる演出は終わって行進から式へと移り変わる。司会は告げる。


『はい。これで、16名の選手全員の入場が終了しました』


 フィールドの中央に、16人の選手が並んで立っている。真面目に並んでいる選手達、緊張でガチガチになっているアレックス、だるそうにしているカオスなんかが待たされていた。

 そして司会がその中央フィールドに直ぐやって来て、開会式が始められる。


『それでは、アレクサンドリア連邦トラベル・パスBクラス本試験、開会式を始めます。開会宣言はアーサー国王に行ってもらいましょう』


 アーサー国王。

 司会は北門を指しながらそのように紹介した。つまり、このような試験の開会宣言に、国王自ら出張るということだ。にわかには信じられなかったが、カオスは一応その北門の方に視線を向けた。

 アーサーは来る。

 特別席で観覧していたマリフェリアスは、そのように確信していた。ダテに長く一緒に居た訳ではない。これでどうする性格なのかは分かっていたのだ。

 相変わらずマジメねぇ、あの坊やは。そう思い、ニヤニヤとしていた。そして、そうしている数秒の内にアーサー入場がコールされる。


『では、どうぞ!』


 すると、北門の上にあるオーロラビジョンに映されていたものがArtherのロゴに変わり、その瞬間に花道の横のパイロが焚かれて舞台を演出する。その中から、人影が一つ現れる。黒髪で細身ながらもガッチリとした男、勇者アーサーだ。影武者でも何でもない。本物である。そのオーラは隠せない。


「アーサー! アーサー! アーサー!」


 観客から嵐のようなアーサーコールが沸き起こった。こういう場でも無い限り、一般人が国王の姿を生で見ることは無い。その国王でも、アーサーは先の対魔戦争の勇者でもある。そのような者の姿を、生で見れて歓声を上げている観客はとても嬉しく思い、誇りに感じていたのだ。

 アーサーはその歓声の中、花道を堂々とした足取りで歩いていた。そして、そうしながら選手である16人をざっと見渡した。そんなアーサーの目に、カオスの姿が飛び込んでくる。姿だけで色々なデータまでは知りえないのだが、アーサーはそのカオスのだるさそうな姿を見ただけで確信した。あの男が、マリフェリアスが贔屓にしている騎士なのだと。

 マリフェリアスは長年の付き合いから、アーサーはマジメに出ると理解していた。だが、長年の付き合いはお互い様。アーサーも変わり種好きのマリフェリアスの嗜好は十二分に分かっていたのだ。

 此処は公の場であるので、アーサーはすぐにカオスから視線を逸らす。そしてマイクと一体化している机の所に向かい、そこに真っ直ぐに立ったのだった。

 アーサーはその机の上に手を置く。その瞬間、それまでアーサーコールで沸いていた会場は、水を打ったような静寂に包まれた。

 そうなった後、アーサーは良く通る声で開会の宣言を行う。


『此処の16名の選手を始めとして、予選で敗れてしまった者、そして観客に至るまで、ここまでご足労頂けた事をとても嬉しく思う。只今より、アレクサンドリア連邦トラベル・パスBクラス本試験の開会を宣言する!』

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