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意外と簡単にキャラ作りって崩壊するんですよ

割と長いですよ

誤字・脱字多いかも?

 さて、味方がはっきりした所で行動を致しますか。


 まずはやっぱりあれだよな。


「さてと、じゃあ早速あの目の前にある城の中に入る手段を探すか」


「ん?城?一体どこにあるのだ?」


「それは・・・」


 魯智深ろちしんがキョロキョロとあたりを探し始めると、オレが言う前にターリアが城を指差してくれた。


「あそこ・・・」


 そういうと、魯智深ろちしんは彼女が指差した方向を見た。


「あれが城か?確かにあれは我輩が知る城によく似ておるが・・・。どうも、かなり形が異なるぞ?」


 そういえば、西洋と東洋って城の形は違うよな。


 どっちが先なんだろう。


「・・・・・・でこれからのいかがしますか?遊馬あすま様」


「あ、ああ。さっき言ったとおり、あの城の城下町に行こうと思う。そうだ、ところで、あのクソ女神から伝達はいつ来るんだ?来たら、教えてくれるとか言ってたけどよ」


 オレは少し強気な口調で彼女にそう言った。


「・・・それはわかりません。あの方はどこで神託を寄こしてくるか、さっぱり私にはわかりません。申し上げございません」


 彼女のたどたどしい口調、他人行儀のぎこちない口調からそれが何となくだが、本当だとわかった。


 何となくだけど。


 けど、何か引っかかるな?神託?


 さっぱりわからん。情報が少ないし、ここは大人しく引き下がろう。


「そうか、わかった。じゃあ、早速あの城の町中に向かうとしますか」


 オレがそういうと、三人揃って城に向かって歩き始めた。


◇◆


「・・・それでな、我輩が出家したのは悪い金貸しを懲らしめようとしたら、思わず力がはいりすぎて殴り殺してしまったのだよ。それで身を隠すために出家したのだ」


「おいおい、何だそりゃ。大人しく捕まれや」


「馬鹿申せ。あんな奴のために縛り首なんてごめんだぜ!」


「まぁ、オレはその時の情報を知らんからなんとも言えんがな」


 これは嘘だ。


 彼がどうしてこのような経緯なったかは、少し知っている。


 けど、オレが知っていると向こうは相当不気味に思うだろう。


 そこでオレは饒舌じょうせつ魯智深ろちしんの話に適当に相槌、ツッコミを入れながら城まで歩いていたわけだ。


 オレと魯智深ろちしんがしゃべっているその間、ターリアはとても静かだった。


 正確には何一つ話さなかった。


 見た目が綺麗だが、ここまで静かだと何というか、う~ん。


 何と言えば、いいかわからん。


 流石に魯智深ろちしんばかりと話しているのもいいが、彼女と話をするのも重要だ。


 このおっさん、結構しゃべるから。飽きないけどね。


 オレは早速ターリアに話しかけた。


「なぁ、ターリアはアテナの所ではどんなことをやっていたんだ?」


 オレは元の世界でギリシャ神話を呼んだときは“メンテ”たるニンフたちを知らない。


 もちろん、どれがターリアなのか、オレにはわからない。


 書籍の中から飛び出すのは主要人物だけではなく、モブキャラも含まれるのかな?


 まぁ、このことは胸中にとどめておこう。


「・・・?その質問は試練に関係ありますか?」


 ちっ、面倒くさい。


「ああ。あるとも、何が役に立つかわからんけどな・・・。あっはははははは。」


 オレがそういうと、彼女は少々疑問に思いつつも、


「はぁ。アテナ様の身の回りの世話ですが・・・。それが何か?」


 おっ、引っかかったぞ。


「へぇ~、そうなんだ。じゃあ・・・・」


 えっと、何か質問。質問。


 何だろう、すごい不思議そうに見てくるな。


 そんなにこの質問が珍しかったのか?


「他に何かございますでしょうか?」


 不味い、会話が終わる。


 年でも聞くか?いや、駄目だろ。


「そういや、君オレのこと『アレ』とか思ったそうだけど、君自身は?その、彼氏とかいる?」


 そうすると、ターリアは意外な反応を見せた。


「な、な、な、なななななな何て聞くことを聞くんですか!?流石にそれは試練と関係ないでしょうが!!何で、そんなこと聞くんですか!少しは恥を知りなさい!あっ・・・しまった」


 先程までの機械的で事務的な態度と裏腹に見た目の年齢と年頃の乙女のような、顔を思い切り真っ赤にさせ、痛いところ所を突かれたかように取り乱した。それに明らかに不味いこと言ってしまったような、そんな感じに彼女は顔を真っ赤に照れた後、魯智深ろちしんの後ろに隠れた。


 ははん、もしかして、これは・・・。


「あ~れ?もしかして」


 オレが言いかけたとき、突如魯智深ろちしんがオレの腕を引っ張ってきた。


「いててて!何するんだ、急に!」


「望、あれを見ろ」


 オレが驚いて、後ろを見ると既に城の城門付近まで来ていた。


 そこには中世らしく、騎士のような甲冑を身にまとった者、町の一般庶民だろうか、RPGでよく見る衣服を着た人もいた。


 そして、一番以外なのは杖を持った人間だ。明らかに魔道士杖と思わしき物に、漆黒のローブと古今に想像される魔術師そのものだった。


 ただ、意外なことにエルフやドワーフといったRPGの鉄板ともいえる種族はここでは見ることができなかった。


 入り口には門番が二人立っており、金属でできた槍を手に持っていた。


 これだけでも、オレが来たのは歴史上のイングランドではなく、架空のファンタジー世界のイングランドに来たことが分かった。


「もう、ついたのかよ・・・」


「コホン、お城は目と鼻の先でしたからね」


 ターリアは先程の取り乱した態度を軽く咳払いをして、元の機械的で事務的な態度に戻した。


 ここでオレは重要なことに気付く。


「あれってさ。オレたちこういう明らかに場違いな格好をしているけど。ここって、何か異民族や異端者とかの受け入れとかしてくれるのか?」


 見れば、城の中を行き来しているのは皆西欧系の顔立ちをしており、元から西欧系の顔立ちをしているターリアはともかく、オレと魯智深ろちしんは不味い。


 顔立ちからして他民族だし、おまけに魯智深ろちしんは異端宗教(この世界から見て)だ。


 明らかに正面突破は厳しい。

 

 それに騒ぎを起こせば、二度と城の中へ入れる機会を失う。


 どうしたものやら。


 くそ、今まで異世界転生していた奴は楽ばっかしやがったな。


 そうだな、まずは、


「ターリア。頼みがあるだけど」


とオレはターリアにそういうと、


「ひゃい!?あ・・・なんでごじましょうか。遊馬あすま様」


 どこが落ち着きを取り戻しているだよ、オレ。


 めっちゃ動揺中やん。


 大丈夫か、この娘?


「・・・ええと。服とか変えられる祝福とかないか?」


 正直期待できないな。


 案の定、


「いいえ、私にはそのような能力はございません」


と答えられた。


 まっ、予想通りだな。


 参ったな・・・。ん?


 見れば、ロバが荷台を引いているのが見えるぞ。


 そうだ、あの中に隠れて城の中に入ろう。


 何て、運がいい!これなら都合がいいぞ!


 よし、早速。


「よし、二人ともあれに乗りこむぞ!」


 オレは荷台を指さし、一直線にそれに向かって走り出した。


「あ、待たんか!望!一人は危険だぞ!」


 魯智深ろちしんもオレを追いかけるように走り出した。


 一人残されただろうターリアは一人うつむいて、何かぶつぶつ呟いた後、


「あーーーーーーーーもう!!置いていかないで!くださいよ!」


キャラ崩壊しながら、こっちに走ってきた。


◆◇


 流石はロバだった。


 とても足が遅かった。


 意外にも距離がなかったこともあり、あっさり荷台につくことができた。


 先頭でロバを歩かせているおっさんも陽気にやられてしまい、半分ぼんやりしていたので、まんまと荷台に簡単に入ることができた。


「ぜぇ・・・ぜぇ。走る必要なかったかもな」


 オレはそこだけ後悔した。


 帽子とマフラー蒸れて、とても暑い。


 だが、これはオレのトレードマークなので外すわけにはいかない。


 だが、オレ以上にターリアは長い間スポーツが苦手インテリ女子のように激しく息を切らし、気品と美貌はどこに行ったのやら、ポンコツな雰囲気が出始めている。


 唯一息が上がってないのは魯智深ろちしんだけだった。


 流石は主要人物といったところか。


「もう・・・二度とやりませんわ・・・こんなこと」


 ターリアはとても息があがっており、これ以上走らせるのはかわいそうに思えてきた。


 ただ、これはこれでいいものを見れた。


 オレは生まれてから小学校低学年が終わるまで、女の裸体を生で見たことがなかった。


 だから、オレにとってはそれらは架空のものに等しい存在だった。


 つまり、わずかな胸ちらやパンチラでも未だに興奮する。


 要するに目の前でうなだれているターリアは元々古代ギリシャ時代の薄い白いドレスを着ているので、彼女の首筋から垂れる汗がしっとりと服に密着しており、それで貧弱な胸や透き通るような白い肌が露わになっていた。


 それに魅惑的な足が目の前にあるのだ。


 オレはあんまじろじろと見ると彼女が少し哀れに思えてくるので、見たいが目を背けようとしたが、逆にそれが変にわかりやすかったのだろう。


 魯智深ろちしんがそんなオレとターリアの様子を見て、


「お前さん、見すぎだぞ」


と忠告された。


 おい、ちょっと待て!


 言うなって!


 その言葉にターリアは相当な恥じらいを感じたんだろう。


 かなり顔を真っ赤になり、


「あ、あ、あ、むがっ!!!」


 流石にここで叫ばれたら、やばいって!


 オレはとっさに彼女の口を手でふさいだ。


 あれ、これ・・・。


「おおおおい!お前さん方何をしとる!望やめんか!錫杖で叩き割・・・」


 急いで、魯智深ろちしんの口も手でふさいだ。


「ん~?流石におかしいべ?中にお化けでもおるのかだよ~」


 げっ、おっさん気付いた!


 不味い不味い!


 隠れるといっても、まさか荷台の中は麦だらけとは思わなかったぜ。


 流石に中を探られたら、一巻の終わりだ!


「透明になれ!!二人とも動かないください!!」


 ターリアがそういうと、彼女に触れていたオレ、オレに触れていた魯智深ろちしんは言うとおりに動きを止めた。


 荷台の幕が開き、おっさんが中を覗き始めた。


 心臓の音が強くなる。額に汗が先程以上に流れ始める。


「しししししし静かにしししししててててて」


 お前落ち着けよ、ターリアちゃんよ。


「・・・気のせいだべか。お化けだったらオラ腰抜けちまうだよ。お城がまん前で逃げちゃうのわ、不味いだべ」


 運が良く、すぐに戻っていた。


 その間にもオレはターリアに文句を言っていた。


「城内で人気がないとこについたら、好きなだけ文句を聞いてやるよ」


「奇遇ですわね。あたしもあなた様に言いたいことがたくさんございます。変な帽子さん」


 負けじとターリアに言い返された。


「よさんか、二人とも」


 魯智深ろちしんはそんなオレたちをなだめていた。


 それからわずか5分ほどであっさりと門番に荷物検査もされず、城内に入ることができた。


「うひゃ~。やっぱお城はでっかいべ~」


 おっさん、面白いな。


 途中で人気がないとこについたので、オレたちは隙をみて、荷台から降りた。


 ターリアは流石に疲れているので、魯智深ろちしんに背負われながら降りた。


 さてと、文句を聞くか。

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