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私は、誰の・・・?  作者: 晴野 はるこ
プロローグ
3/4

3

 ジークレイルは、次々と色鮮やかなドレスを順番に着せられ、母たちの着せ替え人形になっていた。

 七着全てを試着し、選んだのは清楚だが華やかなドレスだった。

 そのドレスは下から上にかけて、白から段々とピンクに色が変わり、ふんわりとスカートが膨らんでいる。ドレスの袖と裾には、然り気無(さりげな)く上品なレースが飾られ、スカート部分の布には光によって輝く銀糸で、ジークレイルがよく例えられている大輪の薔薇が、刺繍されている。

 そして、そのドレスに合わせてエレイナに髪を結われ、化粧をされていく。

 最後に薄い紅を塗った所で、ジークレイルは恐る恐る目を開く。すると、目の前にいる少女と目が合い、ジークレイルは目を見開いた。

 そんな様子のジークレイルに、母とエレイナたちは満足気に微笑む。


「どうかしら?騎士さまからお姫さまになった気分は」

「ど、どうと言われましても・・・なんか、脚がスースーします」


 そのジークレイルの回答を聞くと、母は呆れた様に溜め息を吐き、プクーっと少女の様に頬を膨らませた。


「もう、クレイったら。もうちょっとこう・・・嬉しい、とかって言って欲しかったわ!」


 そうやって拗ねたように言った母に、ジークレイルは「すみません」と返した。

 そして、そう返したジークレイルにエレイナがスッと近づき、「失礼します」と断ってから、ジークレイルを立たせた。立った瞬間、ジークレイルはバランスを崩しそうになり、咄嗟に出た脚に力を込め、なんとか立て直す。だが、慣れていない踵の高いヒールを履いている為か、生まれたての子馬のように脚が、プルプルと震えている。その姿を確認したエレイナが、すかさずジークレイルを横から支えた。


 その姿は港で、薔薇の騎士と言われているなんて、想像が付かない程情けなく見えた。これを世の薔薇の騎士さまに、夢を持つ少年少女が見たら、さぞやガッカリする事であろう。


 ジークレイルに四方八方から、母達の視線が集まる。その目は、呆れを通り越して、同情に満ち溢れている。


「・・・」

「・・・」

「・・・そ、そんな目で見ないで下さいっ!!」


 無言でジークレイルを見つめていた母達に、ジークレイルは半泣きになりながらそう、叫んだ。それに母は困ったように、口を開いた。


「でも・・・ねぇ?エレイナ」

「ですよね・・・奥さま」


 二人は目配せをしたかと思うと、ジークレイルに顔を向け、同時に口を開いた。


「「終って(ますよ)(るわよ)」」



 このあとジークレイルは、母とエレイナから舞踏会時間ギリギリまで特訓を受け、何とかダンスのステップを踏めるようになった。

その時のジークレイルの顔は、エレイナ曰く、まるで修行僧のようだったという。

 そして、それでもまだ心に引っ掛かりを覚えながらも、舞踏会の会場である王城へと、馬車を走らせたのであった。


やっと、会場へと!


皆さん、疑問に思った事は有りませんか?

母が居るのに、ジークレイルの弟はどうしたっ!?という。

実は、ジークレイルの弟は乳母にこの時間だけ預けられています。



そして、次話は金曜日までにあげたいと思っています。

あげる時間は、0:00にします。


ご閲覧ありがとうございました!

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