表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/69

Go Beyond!! -Spirit of BEMANI Players- / Ryu☆ Vs. Sota

リメイク元:音芸神話 ~The music myth Creation~

作者:DIT


http://estar.jp/.pc/_novel_view?w=7680838


ステージ上に黒く輝くスピーカー達。

その中心に立ちはだかる男は高らかに笑う。

身なりはどう見てもそこらのサラリーマン。

スーツの似合わない風貌で、マイクを片手ににやりと口を歪める。

そして私たちに向かって、はち切れんばかりの大声で叫んだ。


「ここがこの世界の頂点だ!

 てめぇら如きには、ここに立つ資格すらねぇ!

 悔しいか?いや、悔しくなんかないだろうな。

 てめぇらはそもそもここに立とうともしねぇんだからよ!

 文句がある奴はかかってこい、全部全部俺が迎え撃ってやる!」


男の言い分は傍から聞けば意味不明だった。

普通の人ならば一蹴して無視してしまうだろう。

だが狭いホールに鳴り響いた男の挑発は、その場にいる人々全てを刺激した。


ふざけるな。

お前程度が頂点だなんて。

冗談が過ぎる。

だから、


俺が!


僕が!


私が!


皆が踏ん張り拳を突き上げる。

何度も何度も突き上げる。

中には指を一本立ててまで、煽る、煽る。

ここにいる者達が、口々に叫ぶ。


「お前をそこから引きずり降ろしてやる」


爆音。

それはもはや声などではなかった。

空気を震わせ大地を揺らす、新たな産声。


彼らの世界はここから始まった。

最初はステージの上だなんて、想像もしていなかった。

だけれどあいつは立ったのだ。

ただスピーカーしか置いていなかった暗い壇上に、あいつは立ったのだ。

そこが上がれる場所なのだと、信じて勝ち取った。

だから笑う。

嘲るでもなく、蔑むでもなく。

純粋に、笑う。

その笑い声を糧に、彼らは成長するきっかけを得たのだ。


何度も挑んでは蹴落とされ、時には互いに殴り合う。

切磋琢磨などと言う綺麗な言葉では言い表せない。

急速な彼らの波に、世界はどんどん拡がっていく。

まるで植物のように、広く深く彼らに根付いていく。

這いつくばってでも、あの男のいる場所に立つのだと。

誰もが吠えた。




そうして幾月もの時を経て、遂に辿り着いた。

ステージには新たな男。

否、一人ではない。

男も女もそこにはいた。

僅かな人数ではあれど、彼らはステージを奪うことに成功したのだ。

原初の男は悔しくも嬉しそうに、ステージから去って行く。

飛び交う歓声。

勝利の雄叫び。

祝福の鐘の音が、まるで聞こえてくるようだった。

壇上の男は微笑む。

天を指差し、自分が頂点なのだと誇らしげに微笑む。

万歳の波がホールを包む。

眩いステージに一生懸命手を伸ばすかのように。


終焉が訪れる。

これでこの世界も落ち着いて行くのだろう。

誰しもがそう実感できた。

皆が安心して笑う。

原初の男も、役目を果たしたと言わんばかりの笑みを浮かべる。

拍手と万歳がホールを埋め尽くしたその時、壇上の男は口元を歪め、天を指したその指を今度は彼らに向けて言い放った。






「よっしゃあ、お前らかかってこいやぁあああああ!!!」




突然の終焉を破る宣言。

彼らは一瞬言葉を失った。

瞬間、雄叫びが湧きあがる。

熱気が暴れだす。

終焉など訪れない。

世界は留まるところを知らず、ただ広がるのみ。


そしてまた、始まるのだ。

果てのない成長が。

終わりのない未来が。

そんな永遠を、彼らは目一杯楽しむことだろう。




祝福の鐘の音は、絶えず止むことなく、ずっと、ずっと鳴り響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ