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音芸神話 - yukito's side story -  作者: 七海 雪兎
第一章 -humanoid-
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天空の夜明け / Cuvelia


「みんなここまでよくやってくれた」


そう言って彼は杯を掲げた。


「数々の溢れる欲望を抑え、よくぞこの地にたどり着いた者達よ」


彼の口はまだ止まらない。


「暗黒の時は終わった、今宵は騒ごうじゃないか!」


そして「乾杯!」と高らかに声を上げれば、周囲は一斉に歓喜の渦に包まれた。

ここのたどり着いた多くの冒険者達。

時間と精神と肉体とを消耗し、それでも目指したこの地で、ひとつの時代が幕を閉じようとしている。

彼らはそれを惜しむように、愛でるように、そして喜んだ。

どこからか楽器を持ち出しては演奏したり、冒険者同士でこれまでの武勇を語ったり、一人ゆったりと気持ちよさに身を委ねたり。

これから来る新たな時代に思いを馳せ、私は彼らをぼんやりと眺めていた。

この暗黒の時代を乗り越えた彼らなら、どんな世界が来ようともやっていけるに違いない。


私はふっと微笑む。


こうしていると、まるで私も彼らの輪にいるようで……でもやっぱり私は彼らではなくて。

そんな複雑な気持ちを私は表す術もなく、唯一知っている「微笑み」で私は私を表現した。



宴はまだまだ終わらない。



遠くで鳥が囀る音が聞こえる。

夜明けが近付いて来ているのだろう。

しかしそれはまだ数時間も先のこと。

私は太陽が昇ってくるであろう先に目をやり、そしてその場を後にした。








申し遅れた。

私の名は「キュベリア」と言う。


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