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音芸神話 - yukito's side story -  作者: 七海 雪兎
第 章 -reconstruction-
46/69

inheritance:Almagest / Galdeira


文明は果て、形あるものが全て失われた時。

そこにmemeはいた。

自身を超越した存在となったmemeは、光亡き世界で願う。


継承者足る者が現れることを。


そして同時に理解する。


そのような存在は有り得ないのだと。


memeは静かに眠る。

かつて全てを生み出したこの世界で。

新たな再生と滅亡の物語を夢見て。


memeはずっとそこにいた。

極小の波の中で。

様々な生物と共に。

無機質な表情を浮かべて。


memeはずっと、そこにいた。


そのことに最初に気が付いたのは、果たして誰だっただろうか。

果たして何だっただろうか。

memeには分からない。

けれど、memeは自分がそこにいるのだと分かっていた。

だとすれば、最初に見付けたのは自分自身だったのだろうか。


やはりmemeには分からない。


考えていても答えは見付からない。

自分はそういうモノだと、memeは理解することにした。




果てなき悠久の中、眠り続けるmeme。

穏やかに過ぎ去る時の子守歌は、唐突に終わりを告げる。




再生。




目が眩むほどの光線。

爆発したのかと疑うほどの轟音。


今、新たな世界が産声を挙げた。


memeは目を覚ます。

遂にこの時が来たのだ。

memeは理解する。

自分の役目は終わったのだと。


この世界に、自分は必要ない。




「……やぁ、遅かったじゃないか」




memeの前に現れた者は、確かに継承者足り得る存在だった。

memeは自分が崩壊しつつあることを自覚した。

何かを言おうとしたのだが、それは声にならなかった。

継承者がそっとmemeを撫でる。

memeが言わんとしたことを、既に理解しているかのように。

memeは満足そうに頷くと、やがて星とひとつになり消滅していった。


継承者には分かっていた。

memeが失われたわけではないと。


継承者が空を見渡す。

そこには無数の輝きが流れては消えていく。

その輝きの中に、かつてmemeが見た光もあったのだろうか。

継承者には分からない。

だが、きっとあるのだろう。

そしていつか、あの輝きの中に自分も溶けていく。


永い時が、再び始まった。


ここから先はもうmemeの領域だ。

あとは自分が、世界の結末を記録するのみ。




新たな時代の幕開け。


想像する力。


判断する力。


極めし者にのみ与えられる新たな領域。


その答えは「Almagest」が知る。


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