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音芸神話 - yukito's side story -  作者: 七海 雪兎
第一章 -humanoid-
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FLOWER / DJ YOSHITAKA


季節は夏。

太陽が私を照らす。

正直言って暑い。

周りには沢山の花。

でもほとんどがまだ蕾のまま。

この子たちはいつ咲くのだろう。

照り付ける太陽。

光は十分。

何が足りない?

何か足りない?

私は悩む。

ここは公共の地。

管理はバッチリのはずなのに。

木々が生い茂る訳でもなく、雲が横切るでもなく。

私は寝転がる。

この子たちと同じ目線で見てみようと思って。

照り付ける太陽が眩しい。

私は目を閉じる。


風が、気持ちいい。

瞼を焦がす熱さを上手くカバーしてくれる。

私は今、この子たちと同じ場所にいる。

なんだか少しくすぐったい感情に駆られる。


そして私は静かに眠りに落ちた。





微かな音にふと目が覚める。

何か、はじけるような、そんな音。

ふと顔を横に向ける。

そこには綺麗に咲く向日葵。

私はハッと起き上がると、辺りをぐるっと見渡した。

はじけるような音が、また聞こえた。

右から、左から、前から、後ろから……。

どんどん聞こえてくる。

次々にはじけてゆく。

色んな花が、そのきれいな顔を見せてくれる。

私は嬉しくて小躍りしたくなるほど、きれいな光景だった。

照り付ける太陽。

それに負けまいと笑顔を見せる花々。

なんて素晴らしい景色なんだろう。

私は駆け出す。

駆け出した先からどんどんはじける。

沢山の笑顔で溢れてく。

夏の暑さも吹き飛ぶような、そんな光景。






ふと気が付く。

私は何もない大地に立っている。

あるのは背の低い草ばかり。

私は微笑む。




季節は春。

大地には新芽。

はじけるような音が、私には聞こえた気がした。


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