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音芸神話 - yukito's side story -  作者: 七海 雪兎
第四章 -collapse-
29/69

Broken / dj TAKA feat.AiMEE


リンゴを投げる。

リンゴが落ちる。

リンゴが割れる。

リンゴは私。

私は誰?



おはようもおやすみも。

全て貴方が言った言葉。

さよならもごめんねも。

全て私が言われた言葉。



ねぇ、聞こえる?

落ちる音が。

ねぇ、見える?

割れた破片が。

ねぇ、分かる?

私の気持ちが。



空っぽの器が割れた。

何もないから溢れた。

決して巻き戻ることがないのなら。

どうか。

どうか私の破片など気にせず。

どうか貴方は先に行って。



手を伸ばしたい。

でももう遅い。

顔を上げたい。

でもそれは許されない。

涙を流したい。

そうしたいのは貴方なのにね。



私はどこにも行かない。

貴方を思い出したくないから。

私はどこにも行けない。

貴方が忘れられないから。

私は思うだけ。

後悔。

私は想うだけ。

懺悔。



もし時が戻るなら。

もう一度出会いを。

もし時が戻るなら。

もう一度別れを。


貴方と。



独りはやだよ。

そうしたのは私なのに。

一人はやだよ。

虚無を抱き締め。

独りがいいよ。

悲しい思いをしなくていいから。

一人がいいよ。

誰にも悲しみを見られたくないから。





割れたリンゴを噛み締める。

僅かに血の味がした。


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