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音芸神話 - yukito's side story -  作者: 七海 雪兎
第四章 -collapse-
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Aegis / IT medalion


僕はそっと箱を開ける。

中から出てきたのは数々の部品。

そんなにパーツは多くはない。

プラモにしては簡単な部類だろう。

いつもはこんなプラモなんて買わない。

なのにどうしてかこれには惹かれたのだ。

僕はニッパーを工具箱から探しだす。

ニッパーなんて使わないから、そもそもあったっけか。


・・・・・・見付けた。

底の方に埋もれてたニッパーを右手に持つ。

キュッと握っては開くのを数回繰り返して、ようやく僕はパーツの切り離しを開始した。

付属の説明書には接着剤は不要とあったので助かる。

こういうのはなんだか、接着剤がはみ出ると格好悪そうだし。


ひとつパーツを切り離したところで気が付いた。

そうだ、やすりもいるよな。

切り離した部分に余分なのが残っていると危ないし不恰好だ。

こういうのなんて言うんだっけ?

バリ?

よくわからないけど、ニッパーだから残りにくいとは言え残る時は残る。

用意しておくに越したことはないだろう。

再び工具箱をごそごそ漁る。

紙やすり・・・でもいいけど、金属の方がいいのかな?

というか金属しか見つからなかった。

削り過ぎには注意だね。

そんなことを思いながら僕は再度パーツの切り離しを行う。


えっと・・・これがここに繋がって・・・で、これがこっち?

少しずつ増えていくパーツ。

どれがどれかわからなくなりそうだったので、とりあえず組み立ててみることにした。

今作っているのは、頭の部分、かな。

目を閉じているものと、開いているもののふたつ。

取り替えることがどうやら出来るみたいだ。

その時の気分によって変えたりするんだろうな。

・・・ふむ、パッケージ通り可愛い仕上がりになりそうだ。


そうして僕は作業を進めていく。

上半身、腕、下半身、足。

気付けば作り始めてから3時間近く経っている。

随分と集中していたようだ。

そのおかげか完成は間近。

あとは組み立てた部位を、こうやって合わせてっと。


完成。


可変式になっていることに、完成してから気付いた。

おお、腕とか上げたり足を開いたり出来るね。

可愛らしい見た目とは裏腹に、少し冷たい感じを受ける。

名前は・・・「Aegis」、だって。

イージスであってるかな?

10cmに満たない程度のサイズで、意外と存在感がある。

うーん。

彼女、イージスを色んな角度から眺めてにやにやする僕。

別にいやらしい意味でなく、単純に完成して嬉しいのだ。

普段こういうのは触らないから、余計楽しい。

しばらく眺めたあと、一旦机の上に飾っておくことにした。

明日またどこに置くか考えよう。

今日はもうこんな時間になってしまったので、ひとまず寝ることにした。


布団に潜り込み、電気を消す。

おやすみ、イージス。






彼が寝静まってからしばらく。

空はまだまだ暗闇。

彼女は動き出す。

口を動かすことなく黙々と。

目を泳がすことなく淡々と。

彼女は部屋の中をぐるぐると動き回ると、ピタッと動くのをやめた。






おはよう、イージス。

今日からそこが君のお家なんだね。

うん。

仲良くするんだよ。

君の役割はわかってるよね?

そう、それでいい。




一人で話す青年。

その椅子の周りに何体ものプラモデル。

全てが同じ顔で青年を見つめる。

そして青年が見つめるモニターに映るは彼女。

方眼紙の上に描かれた彼女の顔は、相変わらず無表情だった。


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