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音芸神話 - yukito's side story -  作者: 七海 雪兎
第二章 -providence-
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Beyond The Earth / 猫叉master


始まりの大地。

かつてはここに神がいたという。

神は眠ることなく踊り続けた。

神は休むことなく祈り続けた。

この地に命を育むために。

たった一人。

幾重もの年月を友とし。


大地が揺れる。

踊りと共に。

空が震える。

祈りと共に。

海が波打つ。

足音と共に。

風が舞う。

呼吸と共に。

緑が咲く。

瞬きと共に。

生が産声を上げる。

死と共に。


神は自らの命をもってして、新たな命を呼んだ。

神は死なぬ。

しかしもう二度と、その姿をこの大地に現すことはないだろう。

天へと返る神。

原初となった者の中には、別れに立ち会った者もいた。

彼らは最初から知っていた。

神が我々に何を与えてくれたのかを。

彼らは神と約束した。

「あなたを決して忘れない」と。




それから一年後。

この地では祭りが行われた。

あの時神が我々のために踊ったように、彼らも踊った。

あの時神がこの大地のために祈ったように、彼らも祈った。

この大地の今を、神に報告するために。


大地は揺れ、空が震え、海は波打ち、風が舞い、緑は鮮やかに咲き誇る。

神のように生死は動かせないが、それでも一生懸命に踊り、祈った。


そして神も踊り、祈り、彼らと呼応した。

姿は見えねども、彼らは対話していた。

大地を越え、空をも駆け抜けて。





何年も何年も経った。

神からすればほんの僅かな時間だろう。

それでも神には、あの時別れを告げた時のことが懐かしく思えた。

あれから彼らはこんなにも成長したのだ。

一年に一度の対話。

神はそれを記憶する。

いつかあの大地に再び立つことが出来たなら、彼らとこの記憶を魚に酒でも酌み交わそうと。

そう誓って。


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