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timeⅥ


今更ですが、お気に入り登録ありがとうございます。


これからも頑張ります。

胸騒ぎはしていた。嫌な予感があった。

だけどそんな非現実的な根拠のないものは信じられなくて、心の奥にしまいこんだ。


日に日に大きくなっていく不安をかき消すように、あたしに出来たのは――…いつも「いってらっしゃい」とだけ言う朝、「気を付けて」と、掠れた声で続けたことだけ。


――もし、そんな不安を声に出していたら。彼は傷つかなかったかもしれないのに。


非現実的なんかじゃない、あたしの能力(ちから)はもう、既に目覚め始めていたのだから。




「はーい、じゃあ、今日はここまでね。ありがとうございました」




相変わらず軽い口調でオルガが話を締めくくれば、後の小一時間ほどはいつも世間話にあてられる。

オルガは性質(たち)が突飛で無邪気、好奇心旺盛なので頭悪そ………えーと、子供っぽく見えるけれど、その実博識で頭の回転も速く、正直あたしは人生でオルガほど頭の良い人に出会ったことが無い。シザーズが魔法を解くまでの一週間程度で日本語の基礎を解した、なんて冗談にもならないような話だ。その方が教えやすいとか言って、突然部屋に来た青年に片っ端から単語を発音した、あの空間の異様さは今でも覚えている。それから何度か交わした日常会話で、一週間毎日会っていたとはいえ日本語修得してしまったとか、本当に人の仕業じゃない。――――……いやまぁ、実際人じゃない訳だけど。


そんな彼とは、実は余り勉強というか学術的な話はしない。王宮の誰と誰が恋仲だとか、どこどこの村に三つ子が生まれて母親はてんてこ舞いだとか、宰相シザーズの愚痴というほのぼのした話題から、他国の王族の愛憎劇だとか、皇族の隠し子が不審死を遂げたらしいというどこから入手したんですかそれ、というような情報まで様々な話をするが、曰わく、「堅苦しい話はするべきときだけで十分」なのだという。


今日も今日とて、オルガは、シザーズの使い魔(?)クロスがふざけて花瓶をひっくり返し、シザーズに手酷く仕置きされていたという話を、何がそんなに楽しいのかケラケラ笑いながらしていた。楽しそうだなぁと眺めていると、オルガはふと少しだけ笑いを引っ込めシザーズサマといえば、と呟いた。


「ユラ、魔王サマにお呼ばれしたんだってぇ?」

「…知ってたの?」

「んん、まぁね」


早耳なオルガが知っていたのはさほど意外でもない。……情報の出所は気になるが。しかし会うことを知っていたのなら、この国のトップに会うというのに、なぜ言葉遣いの話をしなかったのだろう。オルガは意外と礼儀にはそこそこうるさく、――というよりメリハリをつけたいタイプなのだろう――最初の授業でも授業中は彼を先生と呼ぶことを義務づけられた。あたしはてっきり会うことを知らないから言わなかったのだと思っていたのだが。


そう思ったことを口にすると、お菓子を口にくわえたままオルガはきょとんと首を傾げた。

「んぁ?……やー、だってさぁ、魔王サマに敬語とか」

必要ないっしょ。そう言って笑う。

「…どういうこと?」

眉を寄せ尋ねると、答えようと開いた唇がにやりと嫌な形に歪んだ。

「……あ、やっぱやめた。魔王サマと会ってみれば分かるよ」


とりあえず、


「いってらっしゃい」



健闘を祈るよ。



ひらひらとオルガが調子良く手を振って、パキリとくわえた飴菓子が割れたのと、華奢な造りのドアが軽くノックされたのはほぼ同時だった。


…………怖い顔しないでとか、仮にもそんな表情させた本人が言う台詞じゃないでしょうが。





「お待ちしておりました」

「はいはいそれはどうも」


あたしだって割と礼儀にはうるさい方だけれども、この胡散臭い宰相に敬意を払うのは余りに面倒だからすぐに諦めた。無造作に軽く手を払っても、シザーズの涼しげな笑みは崩れない。そうやって飄々とした態度をとられると、子供扱いされてるようでホント気に食わないわ。

「ユラ様、その様に顔をしかめては美しい顔が台無しですが」

「……。今後気を付けるわ。それで、本題には一体いつ入るのかしら」

「ユラ様さえよろしければ、今すぐにでも」

きっとひきつっているあたしの顔を物ともせず、シザーズはにこりと穏やかに笑って、軽く腹の辺りに手を添え礼をした。どうしようもない。溜め息をすんでのところで飲み込んで、大丈夫よと頷く。


「では、こちらへ。――……あまり、時間もございませんので」

「え?」


“時間がない”?ちなみに今はまだ真っ昼間、明らかに“時間がない”時間帯ではない。

どういうことかと聞き返そうとするけど、足元にお気をつけくださいという彼の声に遮られて、言葉には出来なかった。そのまま謁見の間を横切り奥へとエスコートされる。


部屋の奥のカーテンみたいな垂れ幕を上げると、向こう側は窓で、試着室程度のスペースしかなかった。のに、シザーズはやおらそこに近付くと、そっと手のひらを当てた。


「あ、あー……えー、ゴホン―――『Killing two birds with one stone』」

「…は?」


真剣な表情でシザーズが発した、明らかに聞き覚えのあるワードにぽかんとしていると、窓がグリーンに光り始めた。

「え…」

まさか、あんなすっとぼけたのがパスワード?というかここ開くの?と突っ込む間も無く、光がシザーズの指先から手首までを、まるでスキャンするみたいに透過し、手の輪郭を丁寧になぞってゆく。


『―――…ok,I could cirtify your presence.You were permitted to enter the master's room.』


そんな言葉が窓の表面に指で描くように現れて、すぐに消えた。と同時に窓がびきびきと壁ごと真っ二つに割れて奥に通路が見えて、シザーズがこちらを振り向く。


「それじゃ、入りましょうか」

「……これは、あなたに聞いてもムダみたいね」

行きましょうと促されるまま歩き出す。…英語に指紋認証システム、どうみてもあたしと同じか、または似たような世界から来た“誰か”が考えたとしか考えられない。それにしてもパスワードが“一石二鳥”って、センス無さ過ぎるわ。


「……ここ?」

しばらく壁の向こうの廊下を歩いて、シザーズは一つのドアの前で足を止めた。何の変哲もない、王様とは思えないような質素なドアだ。これなら謁見の間のドアの方がよっぽど豪華。――……まぁそんなことよりも、どうしてこんな来にくい場所に部屋を構えたのかの方が謎なんだけれど。


「えぇ。魔族は、敵が多いですから。王の寝室は毎回違いますし、このように他の部屋で隠しているのです。ちなみに直接訪問できる者も限られています」


――あたし、今無表情だったと思うんだけれど、どうしてこの人は口に出してないことまで無駄に答えてくれるの?


「そんなことまで、教えて良い訳?」

腹立ち紛れ、挑発するように微笑みかければ、何も言わずただ笑みを返されるばかりで、苛立ちが増す。

「さて、そろそろ時間です。……どうぞ、中へ」

まさかオウサマに恐怖してるとか思われたくないし、静かにドアノブを握る。背中にすっごい視線。―――あぁもうこの腹黒宰相、さっさと帰ればいいのに。


「あぁ、私は部屋の外におりますから、帰る際はお声をおかけください」




絶対、笑ってる。

そう確信しながらあたしはドアを開けた。




パタン、と薄い扉が閉まる。まぁもちろん日本の一般の家と比べたら大差ないのだろうけど、襲撃があると聞いたらちょっと不安な厚み。弾なんか簡単に貫通しちゃいそう。我が家だって王族なんかじゃあないけどもっと分厚かったのに。


「―…現実逃避してる場合じゃ、無いわね」

ため息を付いて寄りかかっていたドアから体を離す。そっと前方に視線を向ければ、――なんか明らかに王様のベッド、って感じの物が目に入った。四方に掛けられたカーテンにうっすらと人影が写っている。まさか、まだ就寝中?


と思っていると、その奥から低い声がした。ゆっくりと体が起き上がる。


「来たか。………悪いな、今少し、起き上がれそうになくてな、こっちに来い。顔を見せろ」

「………」

命令されるのは嫌いだ。だけどそうも言っていられない。起き上がれそうにない、というのが病気だということなのだとしたら、「時間がない」と言ったシザーズの発言ともつながる。せめてもの抵抗に無言でベッドに近付き、そういえば随分若い声だったと思いながら――――あたしはやや乱暴にカーテンを引いた。




まず目に入ったのは、真っ白い髪。


柔らかそうとはお世話にも言い難いが、雪のようにまっさらな色だった。年のせいかとも思ったが、よく見ればそんな年でもない、30後半くらいだろうか。加えて、真っ赤な瞳。恐らく、アルビノ…生まれつきなのだろう。


そんなことを考えながらもあたしは何も言わず、相手も何も言わない。数秒間沈黙が落ちた。


「………」

「………」

「………なんだ、女か」

「息の根止めてほしいのね?」


なんだ、そうか。

急にお呼びがかかったと思ったら、病気で死ぬのは怖いから早く殺してくれという意味だったのか。それならそうと早く言ってくれればよかったのに。そう思いながら据わった目で見つめていると、ぽかんとしていた王が急に吹き出した。

「ぶ、く、ははははは!!」

「……何笑ってんのよ」

「い、いや、ちょ、はははっ、ひ、」

「何も可笑しくないわよね…?」


余りにもゲラゲラ笑われて思わず本当に殺したくなって立ち上がると、ひいひい言いながら待て待てとたしなめられた。………バカにしてるの?


「はは、悪ぃ悪ぃ。ったく、どうなるか心配だったが、そう来るかよ…。こりゃ安心だな」


涙を拭きながらそう言って、ようやく落ち着いたのか男はこちらを向いた。


「―――お前、名前は?実はお前の名前すら聞いてなくてな」

「何も聞いてないの?」

性別すら知らなかったみたいだし。

「人から聞くより自分で確かめたかったんだ。……ま、くそ忌々しい病気のせいでこんな遅くなっちまったがな」

肩を竦めて、もう一度名を聞かれる。

「……ユラよ。由羅・V・ベルフレイン」

「ユラ、か…。日本の名前だな。Kanjiは?………いや、いい。俺じゃ聞いても分からねぇな」

溜め息をついて、首を振ると、俺は、と続ける。

「村政ケイ。この国の現代魔王だ。出身は……お前と同じ日本。だが、多分違う世界の、だろうな。パラレルワールドってやつだ」

「パラレル…、なぜ、そうだと?」

「分かるさ。俺の世界にお前みたいな品のあるやつはいなかった。――王族でも無い限りな。だが国名は間違いなく同じだ。………詳しく話すか?」


ちらりとこちらを見た、その赤い瞳に頷くと、村政ケイは静かに笑った。


「ま、簡単な話だ。俺のいた世界は、至る所が紛争地帯だった。平和な国なんて、恐らく存在しなかっただろうな。そんなんだから、出身日本なんて言っちゃいるが、というか間違いなく生まれたのは日本なんだが、物心ついた頃には親はいなくなってたし、親の国籍はわかんねぇんだ。お前も見たとこ純日本人じゃねぇみたいだが、」

「ドイツ系日本人なの」

「そうか。……で、まぁ、あとは、そうだな」

がしがしと困ったように頭を掻いてから、あぁ、と村政は呟いた。

「戦争が絶えねぇ世界だから、当然のように傭兵をしてたな。赤い瞳は、」


するり、節くれだって喧嘩慣れしていそうな指が彼のまぶたをなぞる。


「あっちの世界じゃ神の象徴で、重宝がられたからよくあっちこっちの戦場に駆り出されたよ。志気の向上のためにな。……髪は、不吉な色だからって染めるか剃るかされてたが」


現金なもんだよなぁと村政は笑った。その笑みには不思議なくらい恨むような調子がない。話している内容はそう軽いものではないはずだか、口調は明るかった。


「……そんなとこか。で、お前は?」

「あたしは……、」

促され、一瞬言葉に詰まる。少し目が泳いだのを自覚して、口を開いた。

「そうね。16歳の学生で、家は代々続く貴族家系。姉が一人と兄が二人、弟と妹が二人ずついるけど、全体的に仲はよくなかったわね。頭はいい方よ。………この世界の人間がみんなオルガみたいなら、過去形になるけど」

「いや、あいつはもう頭がおかしいレベルだ」

苦い顔。聞いたところまともな教育を受けてなかったみたいだし、彼にとっては理解しがたい領域なのだろう。

「ならよかった。あとは…、ま、大抵何でも出来るわ。護身術はかじった程度だけどね。それから、」


自信に満ちたあたしの言葉に楽しげな顔をしていた村政が、止まった台詞に訝しそうな表情を浮かべる。言うべきか言わざるべきかちょっと悩んで、あたしは続けた。


「将来の夢は……、政治家、だったわ」

目を閉じ終わりよと締めくくると、ふうんと村政が呟く。

「で、夢に向かって頑張ってたとこで飛ばされてきた、と。なるほどな」

静かに合わせていた視線を逸らし、壁に取り付けられた窓へと目を向ける。今の季節は、冬。底冷えすると思ったら雪が降っていたらしい。

「……外、見えるのね」

思わず、どうでもいい疑問を零すと、くつくつと笑う声がした。

「ほんとはここに窓なんざねぇさ」

「…?」

「窓なんてあっちゃ賊の侵入を許すだろ?他の窓の景色をここにつないでるだけだ。ランダムに国内の色んな窓と繋がるからな、中々楽しいぞ。――もちろん南東部ともな」

囁く声に痛みが混じる。話したいことは分かっていて、だけどあくどさは感じなかった。


「魔法っていうのは、絶対的じゃないのね」

視線がこちらに向くことはない。それが分かっているから、話もしやすかった。

「科学の代わりに発達したに過ぎない。所詮は道具だから、なんだって願いを叶えてくれる訳じゃないんだわ」

まるでおとぎ話みたい、都合のいい世界。そう思っていたのはたぶん、最初だけ。科学と同じだ。結局役に立つものは戦争に直結して、優れた方が生き残って劣った方は滅びる、その繰り返し。国が世界がある限り、科学があったって魔法があったって、人が死ぬのは変わらない。どちらも本当の意味で人を蘇らせることは出来ないのだから。

科学が再生させられるのは見た目だけ。魔法が再生させられるのは紛い物、意志など無い。


「なんでこの国がこれほど狙われるのか、知ってるか」

「差別のせい、でしょう?」

違う、という苦い声に首を傾げる。

「それだけで、大した利益もなく戦争なんてすると思うか」

言われてみればそう。

宗教的理由で他宗教を襲うっていうのはそう無い話じゃなさそうだけど、国ぐるみで戦争する理由にはならないだろう。じゃあ何がと考える。土地は大した広さではないし。

「鉱石だよ」

「こう、せき…?」

「石ころさ」

俺たちにとっちゃな、と、村政は馬鹿にしたように笑った。


「王立図書館を建てた、以前の魔王の話は聞いたか」

「少しだけ」

「そいつが悪かった訳じゃない、むしろ国にとって図書館は今じゃ大切な場所だ。だがな、発端は間違いなくそいつだ。―――本の支払いに、国土から掘り出した鉱石を使ったんだ」

出来過ぎたくらい笑えねぇ話さと、村政が呟く。

「もちろん素性は明かしていなかったから、その時はそれが魔族領のもんだとはバレなかった。その商人も面白半分で買ったから、しばらく世に出ることは無かったんだ。それが……石集めを趣味にしてた孫が遺品整理の際、見たことのねぇ石だと鑑定に出したらしい。―――で、この結果さ」

「未知の鉱石、だったと?」

「未知も未知、魔力をふんだんに含んだ“魔力石(パワーストーン)”だ。」

ははっと乾いた声が上がる。窓に映る村政の瞳が、感情の読めない色に塗れていた。

「他国には魔力を高める石はあっても、それ自体が魔力を発するもんはねぇ。しかも高めるったって気持ち程度だ。一体どこの国だと世界各国探しても、それらしいもんはありゃしねぇ。当然だよな、魔力石はこの国にしかねぇんだから。そのことに恐らく一番最初に気付いたのが、俺の前代の魔王だ。常人とは桁外れの魔力を持つ魔族が死んで地面に埋められて、普通なら昇華するはずの魔力は多すぎる故に発散場所を失って地面に溜まり、やがて結晶化する。考えられねぇ話じゃねぇ。いずれその事実が分かれば、この国は世界中から狙われる。その前にと、魔王は秘密裏に世界各地の無人島や秘境に魔力石を埋めさせた。だけど、気付く奴らは気付き始めてる」

ギリギリと歯を食いしばる音が聞こえてきそうなくらい、悔しそうなのが分かる内容を、なのに淡々と村政はひたすら続けた。

一方あたしはただ、呆然と、していて。


「それだけで…?」



“お嬢さん、この辺の人じゃないわねぇ?”

“え、あぁ…”

“この辺はよく軍隊がきて危ないから、早くお家に帰った方がいいわ”

“……お母さんは?”

“わたしは、孫が帰りを待ってるもの”


「それだけの、理由で…?」


“最近は、不作続きでな”

“…土が?”

“いやぁ、天気も土も悪くないんだがなぁ…。こうも毎回土をほっくりかえされちゃ、かなわねぇよ。――ま、言っても始まらねえ、気長に頑張るがな!”


「あんな、あんな…っ」


感情が高ぶりそうになったとき、こちらを見つめる瞳に気付いて、ハッと我に返る。冷静にならない、と。小さく深呼吸をして、伏せていた瞼を持ち上げる。ふと合いそうになった視線には全てを見透かされそうで、もう一度合わせる勇気は出なかった。


なのに、ひりひりと痛みを感じるほどの視線が向けられて、投げかけられる言葉は聞こえないように耳を塞いでしまいたかった。穏やかな声が、鼓膜を震わせる。



「――――本当は、もう気付いてるんだろ?」


やめて、やめて、


「図書館まで行って、調べたんなら。オルガやウィリアムに、歴代の魔王のことを聞いたんなら」「…っ」


やめ、て



「帰る方法なんてない。これまで帰ったやつなんていない。お前はホントは……――」


「やめっ…!」




「ケイ様!歓談中失礼いたします!!」


突然バアンと音がして、薄いドアがノックもなしに開かれる。入ってきた軍服の男は素早くしゃがみ込むと、叫ぶように続けた。


「…どうした」

「はっ!南東部地区にステルフォン帝国の軍が急襲し…!現在、迅速に隊を向かわせておりますが、……っ、私用で現地にいた、王国軍第三番隊の、」



南東部地区、私用、三番…隊。



「レノイ・グリフォード副隊長が、善戦の末、瀕死の重傷とのっ…!情報であります!!」



ギイ、と、薄いドアがきしんだ音を立てた。



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