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返せないこたえ。

 

初・連投(?!)、イキマス!

 

 

 

 

 

すべての机を拭き終わったところで、フロアに誰かが入ってくる気配がした。


「春陽...。」

「お...おはようございます、早川課長。昨日は申し訳ありませんでした。」


震えて崩れそうになる感情(きもち)を必死で抑えて昨日のお詫びをし、さりげなく

課長を避けてその場を去ろうと、足を踏み出した。


「待て。」

あともう少しで通り抜けられるところまできて、私は腕を掴まれた。

「...なんですか?」

怖い、恐い、コワイ...。

課長が怖くて、顔を合わせられない。視線を逸らしたまま、私は答えた。

「昨日の返事、まだ、聴いてない。」

「...っ?!返事って...!」

カッときて思わず睨みつけると、真っ直ぐな視線とぶつかった。


なんて顔、してるの...?


曇りのない、済んだ漆黒の瞳。

それは、その奥に熱を帯びたような気配のまま、私を見つめる。


「...お答え、できません...。」

「...何故?」

「わからないから...。」

どうにかそれだけを告げて、腕を掴んだ手を振り払い、私はその場を

足早に立ち去った。




「...ルちゃん?ハルちゃんっ?」

私の名前をその呼ぶ声に、私は現実に引き戻される。

ぼんやりしていた意識を振り払うと、仕事で同じチームの伊藤さんが、

心配そうに私の顔を覗き込んでいた。

 



「うゎ、すみません、伊藤さん。ぼんやりしてしまって...。」

私は慌てて一歩後ろに下がり、頭を下げた。

「ん?いや、いいんだけど。身体、ホントにもう大丈夫なの?」

「え?」

「昨日さ、早川に引っ張られてったろ?あの後、ハルちゃん、席に

戻ってこなかったしさ、早川に聞いたら、『体調が悪いようだったから、

医務室に連れてった』なんて言うし。」

 

あ、そうか。私の席外し、理由は体調不良になってたんだっけ。

そういえば、昨日電話をくれた祥子ちゃんもそんなこと、言ってた。


「あ、はい。もう、大丈夫です。」

「いつもいろいろ頼んじゃうからだよねー、きっと。」

「いえ、そんな訳じゃ...。」

「よし、今日は、オレがお昼奢っちゃう!好きなもの食べていいよ?

何がイイ?」


伊藤さんは右手で作った握りこぶしを左手にパンと叩きつけ、『名案!』と

言わんばかりに私を見た。

「いと〜さぁ〜ん。私ぃ〜、パスタが食べたいですぅ〜。」

「しょ...祥子ちゃんっ?!」

その声に吃驚して顔を向けると、私の横に祥子ちゃんがいつの間にかいて、

ニコニコと笑っていた。


「えぇ〜?だぁって、祥子ちゃん、いっつもオレに意地悪じゃん...。」

「...ヒドイっ。伊藤さんって、そんな方だったんですねっ?!」

さっきまでの笑顔は何処へやら、祥子ちゃんは瞳をウルウルさせて俯いた。

「わ、わ、わかったっ!祥子ちゃんもお昼、一緒に行こう!」

「やったぁ〜っ!いと〜さん、だぁい好きっ!」

両掌(りょうて)を上げて無邪気に喜ぶ祥子ちゃんを見て、伊藤さんは

がっくりと項垂れ、私はクスリと笑った。

 

 

 



 

 

ハイ、本日、新しい方がお見えです。

『登場人物』の方にも大まかな設定を追加・更新しておきますデス。


初めての『2日続けて投稿』。

この先、多分、もう、ないと思います。

何事もノロマな私にしては、本当に快挙です、えぇ...。


たくさんの方々にお読みいただき、とても嬉しく、そして幸せです。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

最上級の感謝をこめて。


                                   諒でした。

 

 

 

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