わからない...。
これは、悪い、冗談...よね?
課長が出て行った打合せ室で、へたり込んだまま、私は、呆然と
天井を見上げた。そして、ついさっき、ここで起きた出来事を
無かったことにするため、必死で念じた。
ありえない!ありえないっ!!ありえないぃ〜っ!!!
あの課長が、私を好きだなんてことは、断じてありえないっ!
きっと、これは、“罰ゲーム”か何かなのよ。えぇ、きっとそう。
でないと、あの課長が、こんなこと言うはず無いもん。
何とか自分を奮い立たせようとするも、心臓のドキドキは
一向に収まる気配も無く、身体もカタカタと震えが止まらない。
なんでなの...?
何で、私に、そんな意地悪するの...?
気がつくと、涙の筋が頬を伝っていた。
「...ぅっく...。」
グシャグシャに絡まる感情に、私は自分の身体を抱え、
声を殺して泣いた。
夕焼けで溢れていた部屋が、闇色に塗り替えられた頃、漸く、
私は抱えていた膝を解き、立ち上がった。
「何なんだ、一体...。」
ふぅ、と大きな溜息を一つ吐く。
結局、気持ちの整理がつかなかった。
就業時間をとっくに過ぎた、こんな時間にならないと
自席に戻ることができないなんて...。
何も考えたくない。せめて、今日1日は。許されないことだろうか...?
「とりあえず、今日は、もう帰ろう...。」
重い足取りで、すっかり暗くなってしまった打合せ室を出ようと
ドアを開けると、そこには、壁にもたれて課長が立っていた。
「.........!」
私はその顔を見て、咄嗟にドアを閉めたのだけれど、課長の長い足が
それを阻んだ。
「...なんで逃げる...?」
あたりが暗くてその表情は窺えないけれど、その声は、間違いなく
不機嫌な色を滲ませている。
「......わかりません。とりあえず、課長には逢いたくないです。」
ずいぶんな言葉をつぶやき、私はチクチクと感じる
課長の視線から逃れたくて、俯いた。
盛大な課長の溜息が聞こえ、頭をクシャクシャと撫でられる。
「今日は、このまま帰れ。向こうの片付けは済んでるから。」
耳に心地よい低音の響きを残して、課長の足音は
私から遠ざかって行った。
...春陽ちゃんを打合せ室に篭城させてしまいました。
んで、まだ春陽ちゃんと俺様課長の2人しか人が出てきてない...。
おまけに、俺様は自分のやったこと、棚に上げてそ知らぬ顔だし...。
あ゛ぁ、先行き、不安...(x_x;)
拙作ですが、たくさんの方にお読みいただいているようで、
感激しております。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
諒でした。