いきなり、なんですかっ?!
初めての『連載』です。
お子ちゃまな文章だと思われますが、宜しければお付き合いください。
「おい、遠藤!」
その日は突然訪れた。
私、遠藤春陽。22歳。入社3年目の、どこにでもいる、フツーの事務職員デス。
今日も、いつもと変わらず、チームを組んでいる営業社員から依頼された
プレゼン資料を作成しておりました。
「はい、ご用ですか?課長。」
フロアの一番奥から私を呼ぶ声に、自席から立ち上がった。
早川課長。社内の女性社員は、その大半が憧れている存在。
まだ30手前なんだけど、社内一の花形部署で課長さんをされてます。
この歳で課長ですから、仕事はもちろん完璧。
取引先は言わずもがな、部下に対してもフォローはしっかりするし、
物腰も優しい。
そんなだから当然部下からも信頼が厚い。
そして、見目も麗しい。天は彼に二物を与え給いましたよ、えぇ。
身長は180を超えてるだろうなぁ...。で、すらっとした、かといって、
決して痩せている訳ではない体型。
何か、スポーツでもやってるのかなぁ...って感じ。
癖のないサラッサラの黒髪に、長い手足。
もう、纏ってるオーラが他の社員とは明らかに違う。
...でも、ほんと、女性には、苦労してなさそう。
容姿端麗ですからね、どうしても、ちょくちょく耳に入るんです、
課長の女性の噂。
やれ、どこどこの会社の秘書さんとイチャイチャとか、いや、社内の
誰々さんとムフフとか。
私的には、どんなにかっこよくても、どんなに仕事ができても...と
思っておりまして。
同期の祥子チャンは、よくウットリした視線で見つめてたりするけど、
私は、気にしてないんです。どちらかというと、避けてるくらい。
...ていうか、私の意見なんてどうでもいっか。
「ちょっと、来い。」
ツカツカとその長い足でこちらまで来た課長は、不機嫌そうに
私の腕をつかんで、営業課のフロアから出ようとする。
「...!ま、待ってください、課長!」
ガシャン!
グイと強引に腕を引かれ、今まで座っていたイスに足を引っ掛け、
倒してしまった。
それでも気にすることなく、課長は私の腕をつかむ手を緩めずに、
私を引きずるように歩いていく。
あぁ〜、イス倒したままだと、みんなが通るとき邪魔になっちゃうよ〜...。
それにしても、私、なんかヘマしましたっけ...?
思い巡らせては見るものの、思い当たる節がまったく無い。
何がなんだかわけのわからないまま、引きずられるようにして
課長の後ろに続く。
...でも、一体どこへ行くつもりなんだろう?
「イタ...いです。かちょ...う。」
私は腕をつかむその力のあまりの強さにそろそろ限界を覚え、
消え入りそうな声で、目の前の広い背中に抗議した。
すると突然、それまでの勢いをなくして課長が立ち止まった。
「あぁ、すまない...。」
振り返った課長は、何を焦っているのか、いつもの余裕はどこへやら。
「どうなさったんですか?なんだか、課長らしくない...。」
「...遠藤。こっち、入れ。」
課長はそう言って、今は誰も使っていない打合せ室のドアを開けた。
...スルーですか?心配してあげたのに...。
打合せ室は、その名の通り、打合せのために用意されている小さな部屋。
会議用に、長机とイスくらいしかこの部屋には無い。
私は促されるままに部屋に入り、こんなところでないと話せない
用件が何なのかを聞こうと、課長に向き直った。
「あの...?」
不安げにそこまで口にしたとたん、私は今しがた閉められたドア横の
壁に押し付けられた。
「......ぁ!!」
思わず目を見開いて、私の両手首をつかんで、自身と壁との間に
私を閉じ込めた課長を見上げた。
私の正面の窓ガラスから夕日が差し込み、ちょうど逆光になって、
課長の表情が見えない。
何?何ナノ?一体何が、どうしたって言うの?
私、そんなに課長のお怒りに触れること、やらかしたの??
私は軽いパニックに陥ってしまった。
とにかく、課長のご用を聞き出して、早く仕事に戻らなくちゃ。
「あの、かちょ...。」
ここに連れてきた理由を尋ねようと口を開くと、温かい何かで唇が塞がれた。
すぐ目の前に、目を閉じた、いつも極力避けているあの整った顔がある。
...ということは、この“温かい何か”は...課長の唇?
私、課長に、キスされてるのぉ〜っ?!
...いかがでしたでしょうか?
文才は皆無に等しいため、カメ更新になると思われますが、
憧れの連載モノ、完結できるよう頑張りますので、どうぞ、
生あったか~い目で見守ってやってください。
ご意見・ご感想、絶賛受付中♪です。
...が、申し訳ありません。当方、かなりのヘタレでして、
誠に恐れ入りますが、お手柔らかにお願い申し上げます。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
諒でした。