表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

06,異議あーり!

 三太郎は夜になるとリムジンホテルを空飛ぶオープンカーにトランスフォームさせて北極のサンタランドに戻り、美月を連れて事務局に行くと、

「こいつはサンタにゃ向いてねえ。黒サンタ見習い失格だ」

 と、びっくりする美月を置き去りにしてさっさと出ていき、リムジンジェットカーに乗って飛び去ってしまいました。



 さて数日後、三太郎はまた呼び出されてサンタ事務局にやってきました。

 そこには白ひげのやせた優しそうな局長サンタと、プンプン怒った美月が待っていました。三太郎はまたうんざりした顔をしました。

 局長サンタが言いました。

「こりゃ三太郎。先生の役目を放り出して生徒を置き去りにするとは何ごとだ」

 三太郎は、

「ですから、こいつはサンタにゃ向いてねえと言ったでやんしょ?」

 と言い訳しました。すると美月が

「わたしのどこが悪いって言うのよ!?」

 とプンプン怒りました。局長サンタはまあまあと美月を落ち着かせ、三太郎に言いました。

「とまあ、このように美月くんから異議申し立てを受けてな、事務局員で協議の結果、異議を受け入れ、彼女を黒サンタ見習いに復帰させることに決定した」

 三太郎はボソッと

「向いてねえと思うがなあー…」

 と、文句を言いましたが、局長サンタに

「われらが聖サンタクロースも承知しておる」

 と言われてむっつり黙りました。聖サンタクロースとはオリジナルの本物の本物のサンタクロースのことです。

「ではよろしく。二人とも仲良くな」

 局長サンタはニコニコ手をふりましたが、今度は美月が不満を言いました。

「黒サンタって黒岩先生の他にもいるんでしょう? わたし、他の黒サンタの先生がいいです」

 ツンとすまして言う美月に三太郎も

「おうおう、いいぜ、他の黒サンタに引き受けてもらいな」

 と憎まれ口を言いました。局長サンタは三太郎を「これ!」としかり、美月にも言いました。

「こんなやつでもこいつは立派な黒いサンタクロースだ。三太郎先生がいやなら、君の異議申し立てを却下して、黒サンタ見習いを失格とする。それでもよいかな?」

 美月は渋々

「はあ〜〜〜い」

 と返事し、

「黒岩三太郎先生え、よろしくおねがいしまあーす」

 と頭を下げました。

「あ〜あ…、しょうがねえなあー……」

 思いっきり面倒くさそうに言う三太郎に美月はこっそり

「ちっ、」

 と舌打ちしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ