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うちの寺の墓地にダンジョンができたので大変です  作者: 海水


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44.行って(1月)逃げて(2月)去ってしまう(3月)③ 神西ダンジョン買取②

「獄楽寺さんでは、どうしてダンジョンを買い取るんですかー?」

「えーっと、管理しきれなくて困っていると打診を受けたからです」

「どうやって買い取るんでしょうかー?」

「企業秘密って程ではないですが、自分のスキルで撤去します」

「おおすごいですね! 買い取ったダンジョンはどうするんですかー?」

「寺で鍛錬に活用する予定です」

「そうなんですねー。獄楽寺さんには墓地ダンジョンの他にもダンジョンがあるようですがー。いくつあるんですか?」

「墓地ダンジョンの他にはいわきダンジョン、備後ダンジョンがありますね」


 日比谷ダンジョンは公にはしてないからね。知ってる人は知ってるけどさ。


「管理に問題はないんですかー?」

「そーですねー、定期的にハンターが巡回して魔物を減らしてますし、使用しないときはダンジョンを消しているので今のところ問題は出てないです」

「おーすごいですねー。活用とはどのようなことをしているのですか?」

「現在は、全国のハンターコースの生徒の鍛錬場として活用していますね。クランの訓練場としても利用されてます。気になったクランさん、お気軽に連絡をくださいねー」


 無難な答えに終始する。別にウケを求められてるわけでなし。


「坂場さんはいつも作務衣と聞きましたがー」

「いつも作務衣です。動きやすいんですよ?」


 おすすめよ?


「もうひとりの方がメイド服ですが、お寺にメイド服はありなんですか?」

「京香さんはお寺で働いているわけではないですし、うちのギルドは服装は自由なので。そもそもギルド長たる自分が作務衣ですし」


 作務衣を見せるように腕を広げればアナウンサーの出雲さんがフフッと笑った。かわええのぅ。


「内容確認は終わりました」


 足音もなくすすっと寄ってアナウンサーとの間に割り込んでくるメイドさん。マイクを持ってる女の子も「わぁきれいなメイドさん!」と感激してる。そうだろうそうだろう。自慢のメイドさんだぞ。

 おっと脱線した。さっさと終わらせて帰らねば。


「ではダンジョンを撤去してしまいましょう」


 ゲートはロビーの奥にある。テレビカメラを引き連れて向かう。途中で金剛杖を出して床を突きながら歩く。

 ひとりが通れるだけのゲートがあり、その奥にはダンジョンへの階段が見える。


「まずはゲートを撤去して、と」


 金剛杖をそっと当てて収納する。音もなく消えたので「おおお」というざわめきがロビーを埋め尽くした。カメラを向いてるアナウンサーの出雲さんが「き、消えました!」と興奮気味に伝えてる。


「まるで手品のようですな」

「手品とは違うんですけどね。出すこともできますよ」

「ほぅほぅ!」


 長浜さんが食い気味に反応するので目の前にゲートを出してみた。長浜さんも目を大きく開いてる。ゲートはすぐに収納した。


「じゃあ本命のダンジョンですね」


 階段付近まで歩く。苔むした岩の階段だ。

 過去に犠牲者はいないとのことだけど合掌しておく。金剛杖の先で階段の石に触れた。


「ではダンジョンを撤去しまーす」


 撮影してるので合図は忘れずに。やり直ししてとか言われても困る。

 念じれば階段は消える。そして周囲の床よりはまだきれいな床が現れる。階段があった部分は時間経過がないんだよね。

 「消えた!」「まじか!」という声が聞こえる。


「これで終わりです」

「……あっさりしたものですね。失礼」 


 長浜さんは階段跡に行って床を足でトントンしてる。一瞬で消えるんだもん、確認したくもなるよね。


「ダンジョンが消えた後を確認しています!」


 と、その様子をカメラで撮影してた。

 その間に頭の中に【→所有する? Y/N】と出てきたので所有を選んでおく。これで安心だ。


「空港でお土産を買う時間くらいはありそうです」


 すすっと寄ってきた京香さんがささやいてくる。大事なことだね。俺だけがあっちこっち行ってるからお土産はマストなんよ。


「今ギルドに指示をして振込手続きをしていますので明日にでも確認をお願いします。時間がないので帰りますが、おかしな点などありましたら連絡をください」


 何かあってもうちが損する方向だけどね!


「では失礼します」


 挨拶をしてそそくさと帰ったさ。出雲空港でお昼を食べてお土産を買って寺に帰ったのは夕方過ぎ。腹ペコたちが食堂でぐったりしてる!


「ただいまー、すぐに作るからねー!」


 瀬奈さんと智と多賀城ちゃんがご飯を炊いといてくれたのでおかずを作るぞ!

 コケケケのモモと胸肉を使った鳥味噌鍋じゃ。手っ取り早く大量に作れるのがとてもいい!

 しかもコケケケの肉なのでとてもおいしい!

 デザートは出雲土産でヨシ!

 手抜き万歳!


「守、早速だが確認するぞ」


 零士くんはマテができないらしい。調理前にダンジョンの1階に【神西ダンジョン】を設置して、あとは任せた。10分くらいで零士くんが返ってきた。はやすぎ。


「【いわきダンジョン】とおなじ10階層でボスはいない雑木林ダンジョンだな。出てくる魔物もゴブリン系で、そこも同じだったぞ」

「じゃあ【いわきダンジョン】を日比谷に持っていっても大丈夫ですね」

「コケケケもいる【いわきダンジョン】を持って行ったほうがいいだろうな。ヒヨコにはいい稼ぎになる」

「【神西ダンジョン】にもコケケケを放ちますか」

「階段を出しっぱなしにしておけば勝手に入り込むだろ」


 うちの各ダンジョンにはコケケケが飽和してるからナワバリが増えたらそっちに行くんだって。

 その日の夜のニュースの地域ニュースで紹介されてた。住民へのインタビューがあって、ダンジョンがなくなってほっとしたって意見が大半だった。

 複数回被害があるところだったし、やっぱり不安だったよなって。こっちもほっとするよ。

 ダンジョンを持ち帰って怪しいことをするんじゃないのかとの意見もあったけど、うちが何もしなければ不安なままの生活だったんだぞ、とは言いたいかな。

 ちなみに、ダンジョンを買いとるたびに赤字ですが何か?

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― 新着の感想 ―
コケケケのモモ! 略してコケモモ。コケモモのソースは肉料理にも合うよ♪ ちなみにコケモモはクランベリー(ツルコケモモ)の近縁種らしい。
なんだか侵略的外来種じみてきたなぁコケケケ
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