-ポンコツとの出会い-3P
僕は変な声を出しながらも、気が動転している母さんを抱き締め返し、落ち着いてと促した。
だけど母さんは、そんな僕とは裏腹に、なかなか落ち着いてくれなくって……。はぁ──。
あぁ、そうか。クトロケシス神もきっとこんな感じだったんだろうな。また会うって言ってたし、その時ちゃんと謝罪した方が良いよね。なんて、ようやくクトロケシス神の苦笑の意味を理解し、僕は母さんを宥め続けた。
最初は、そんなに焦ってどうしたんだろう? なんて楽観的な態度でいたんだけど、落ち着きを取り戻した母さんに、
「どうしてそんなに焦ってたの?」
なんて苦笑を浮かべ聞いたら、
「リーウィンちゃん、よく聞いてちょうだいね? あなたはひと月ほど生死の狭間を彷徨うかのように眠ってたのよ? 母さんがどれだけ心配したか解る?」
そんな驚きの事実を口にされた。
僕って一ヶ月もの間眠っていたの? そう思うけど、実感なんて湧かない。だって体の不調なんてなかったし、一ヶ月も眠っていた割には、体も痩せ細っていない。とても元気でピンピンしてるもん!
だけど、母さんがそう言ってるし、嘘じゃないんだろな〜。なんて、受け入れた。
それ以上に僕を驚かせたのは、意識を失った僕を運んでくれた人物。それがあの冷淡で、慈悲も礼儀もない(と思っている)カルマンだったっていうこと! あの人が、誰かのために自発的な行動なんてするはずないじゃん!? もしできるならば、初対面で嫌味な態度や発言なんかしないし、睨みつけて威圧もしない。
「絶対嘘だ!」
僕は母さんからその事実を聞かされた瞬間に、脊髄反射でそう笑い飛ばす。
だけどそんな僕とは裏腹に、
「嘘じゃないわ」
なんて母さんは首を横に振る。
そんな母さんの話を聞いていると、あの人、本当は優しいのかな? そんな気持ちが浮かび上がってきた。
でもあの人って最悪な人だったじゃん?




