-ポンコツとの出会い-2P
鈍い音が部屋の中で響き、微妙な静寂が生まれる。
『………………』
そんな静寂の中、僕と黒い毛玉は目が合い、お互いに誰? という疑問を抱えたまま数分間睨み合う。
「痛いだろガウ! よくも、オレサマに酷い仕打ちをしやがったなガウ!」
先に口を開いたのは、毛玉の方だった。毛玉は、とても偉そうな態度で唾を飛ばしながら怒鳴り散らす。
「ごっ、ごめん……。びっくりしてつい……」
僕はなにが起こったのか理解できず、反射的に謝罪していた。
「謝って済むと思うなガウ! イシャリョウを要求するガウ!」
だけど毛玉は、かなり立腹なようで、どこからか紙を引っ張り出してきて、〔イシャリョウに、二十万セクトを要求する〕。と、汚い字で書かれた紙を、僕の顔に貼り付けてきた。
なんだこの変な毛玉は……。そんなことを思いながら呆気に取られる。
だけど、すぐ可笑しいことに気づいた。投げ飛ばしたのは悪いよ? そこは反省する。でも、慰謝料なんてやりすぎだと思う! どーして投げ飛ばしたくらいで慰謝料なんて請求するんだ! 僕は断固として払わないからね! そんな硬い決意を固める。毛玉が、〔人語〕を話していることなんて気づかずに──。
そんな僕と毛玉が慰謝料を払う払わないというなんともカオスな言い合いをしていると、勢いよく僕の部屋の扉が開き、
「リーウィンちゃ〜ん! ようやく目を覚ましてくれたのね……! 目を覚ましてくれてありがとう。母さん、とても心配したのよ? 痛いところはない!? 今、食べたいものは!? あっ、母さんのこと、覚えている!?」
母さんは目に涙を浮かべながら、部屋に入ってきた勢いのまま、僕をギュッと抱きしめ、機関銃のように、これでもかと、質問攻めにする。
「グヘッ──。そ、そんなに一気に聞かれても、答えれないよ!」




