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001.5-母の反対-7P
「どーひたの?」
そう聞いたあと、口に残っていた腸詰めを丸呑みにした。
「あんまりこういった話は良くないって解っているのだけど……。やっぱり、魂の使命こん願者になりたいの?」
母さんは慎重に言葉を選ぶように、声を震わせながら拳をギュッと握り、目を伏せる。
「どうして……?」
そこには僕の気持ちを尊重したいという考えと、母親として辞めさせたい。という葛藤があるように思えた。
だけどまだまだ未熟な僕は、そんな母さんの気持ちを察しながらも、あえて解らないフリを続ける。
「だって、魂の使命こん願者は危険だって言うじゃない?」
母さんの言いたいとすることも、心配する気持ち良く解る。僕だってそのリスクを解った上で、魂の使命こん願者になりたいと思ってる。
そりゃあ、魂の使命こん願者になってなにをしたいのか? とか、どうしてなりたいの? って聞かれても、残念ながらその理由までは覚えていない。
薄らと僕の中にある記憶では、誰かに『おまえは魂の使命こん願者になれ』そう言われたことくらいで……。