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-クトロケシスの邂逅-2P
キョロキョロと辺りを見渡しても、誰もいない。なんだったんだろ? そんな不思議な感覚を覚えながらも視線を戻す。
「なんだろう……これ……?」
視線を戻すと、どこから現れたのか判らないけど、白く光る球体が僕の目の前に浮かんでいた。
それが安全かどうかも判らない。普段なら絶対に触れようなんて考えなかったと思う。でも、この時の僕は、誰かに意思を操られるように、その球体に手を伸ばしていた。
球体に触れても特に実態があるようには感じない。でも触れた瞬間、球体は小さく分裂し、僕の指にまとわりついたあと、眩い光を放ち始めた。
「えっ!? なにっ!? えっ」
僕は軽くパニックを覚え、声にならない声で慌てふためく。
だけど、化け物の時と同じで、体と脳が噛み合わない。僕はそんな光が怖くて逃げようとしたんだけど、盛大に転んじゃって──。
「いてててっ──ひぃぃっ!」
その間に、光は人の形へと変化していたらしい。
いつの間にか僕の目の前には、質素で飾り気のない白いワンピースを身にまとった女性が立っていた。
その姿を見た瞬間、僕の脳内に警鐘が鳴り響く。




