07.5-クトロケシスの邂逅-1P
意識が戻ると、僕の目の前に白で彩られた空間が広がっていた。
記憶のどこかで見たことがあるような……、だけど絶対に知っているとも言えない不思議な空間。
ここ、どこだろう……? どこか懐かしい香りが僕の鼻をくすぐる。
そんな香りを無視しつつ、本当に死んじゃったとか……? いや、多分、死んじゃったんだ……ごめんね母さん……。親孝行のひとつもできなかったや……。僕の最期は本当に味気なかったな……。化け物に襲われ、嫌味な人に魂を貸して死ぬなんて、たまに祈りを忘れちゃった僕への罰かな? そんな、なんとも言えない虚しさや後悔を抱えながら僕は、真っ白でなにもない空間をぼんやりと歩き始めた。
だけど、いくら歩いても景色は変わらない。それでもなぜか、歩き続けなければいけない気がして、僕は足を動かし続ける。
シャラシャラ──
どれほど歩いたか判らない。それに景色も変わらない。だけど、ちゃんと移動していたらしい。微かに花の香りや川のせせらぎが耳に届く。
僕は死んだんだし、そこが行くべき場所なんだろうな〜。そう思うと同時に、引き寄せられるように、足が勝手に動き始める。
「そちらに行ってはいけません」
突然、脳内に女性のような柔らかい声が響き、僕の行動が制止される。
「えっと……誰……?」




