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001.5-母の反対-6P
「天より愛されし全ての動植物に最大の敬意を。リクカルトを見守る、クトロケシス様に感謝と愛を」
食前の祈りを終え、いざ食事だ! 目の前の料理に僕は目を輝かせ、躊躇うことなくカリッシュの腸詰を口に運ぶ。
うん! やっぱりカリッシュの腸詰めって最高だよね! 口の中でパリッとした皮が割れると同時に、ジュワ〜と旨味成分が凝縮された肉汁が溢れ、自然と笑顔が零れてしまう。
そんな僕とは裏腹に、母さんは目の前の料理に手をつけず、下を向いたままなにか言いたげに黙り込んでいる。
どうしたんだろ? そんな心配をしながらも僕は、二本目の腸詰めを口に含む。
すると、意を決した様子で母さんは、
「リーウィンちゃん。最後の確認になるのだけど……」
そう、躊躇いがちに不安げな声をポツリと零した。
そんな母さんの態度に、僕はなにを言いたいのか? 多分、『魂の使命こん願者』の件か……。そう理解した。
だけど、聞きたくないな……。そんな不安な気持ちから、あえて首を斜めに解らないフリをし、