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06.5-メテオリット襲来-〔後半〕1P
「──記憶の欠片に眠りしゼレルよ、迷い子の鎧となれ」
軽く息を整えたような呼吸音のあと、ナニカの呪文が耳に伝う。それと同時に、キイイィィン──と金属が擦れるような音が響く。
なにが起こったのか解らない。だけど痛みが襲ってくる気配もない。僕は全身が緊張で強ばる中、恐る恐る腕を降ろし、周りを確認する。
心臓がドクドクと鼓動を速め、街はかなりの被害を受けている。
そして、目の前には顔の見えない誰か──。多分、魂を遣う者に、間一髪のところで僕は助けられたんだと思う。
だけど、僕を助けてくれた魂を遣う者は、顔を見られたくないのか、深々とフードを被り、素性を隠そうとしている。
助かった! という安堵と、どうしてこの魂を遣う者は、顔を隠しているんだろ? それに、金属音はなんだったの? そんな疑問が泡のように湧き上がる。
最初に理解できたのは、金属音。




