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-不法侵入と怪しい影-2P
はぁ──。また怒られる。
なにも考えずにこんなところに来ちゃったなぁ〜。なんて反省しながらも、やっぱり関係者以外は立ち入れなさそうだから引き返そうと方向転換する。
「どこに行くんだ?」
「えっ?」
見ただけで入れないと解るくらい厳重な管理をされているセレンディブ。
なのにも関わらず、カルマンはなにを言いだすのか。僕は小首を傾げ、なにが? なんて顔をする。
「ここから入れそうね」
そんな僕の態度を気に止める素振りも見せず、ヘレナはなにかがぶつかって空いたような少し大きめの……女性一人くらいなら簡単に入れそうな穴を指さし、セレンディブの内側へ入ろうとする。
ちなみに、少しでも体制を崩せば有刺鉄線の餌食になりかねない。
それに──。
「ダメだよ! バレれば怒られる騒ぎじゃ済まないよ!」
このセレンディブは一言で言えばリクカルトが保有する稼ぎ頭であり、口外