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-フェルはもしかすると物だったのかもしれない-6P
ネコだったガウか!?」
僕は見た目が猫なこともあり、フェルがイヌ科ということなんてすっかり忘れ、そう口にした。するとフェルは、自分がどの種族に分類されるのか知らなかったらしい。
初めて自分が猫だとしり、目をこれでもかと言うほどまん丸にして、間抜け面のように口をポカーンとさせる。
「いや、たぬきだろ」
「フェルくんは犬って言ってなかったかしら?」
それと同時にカルマンとヘレナが別々の動物の名前を口にし、それを聞いたフェルは、なにが正しいのか。なんて頭を抱え込む。
そして僕は僕でそういえばフェルって犬だったなと思い出した。
「あー。そういえばフェルって犬だっけ?」
ちなみにカルマンのたぬきはもう論外。
「フェル。フェルは猫じゃなくて犬らしいよ?」
犬ということを思い出した僕は、フェルに魂を守護するモノ証明書を渡し、確認してみてと伝える。
「オレサマ犬ガウか?」
フェルは魂を守護するモノ証明書を見ても字が読めないらしい。どうやってカジノに行くのか……。いや字が読めないから負けてくるのか──