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-フェルはもしかすると物だったのかもしれない-4P
「え、前からこんなんじゃなかったっけ?」
キョトンとする。
「いいや。もっと怯えた感じだった記憶がある」
だけどカルマンの中での僕は全く違うイメージが定着していたらしい。
普通に考えて、初めて会った時から数ヶ月の時間が経っている。にも拘わらず、いつまで僕のことをビビりだと思っているんだ! なんて内心ムカッとしながらも、
「多分それは、カルマンが怯えさせてただけだよ。ほら早く中に入りなよ」
そう言いながらカルマンを家の中に招いた。
「〜〜!!」
「あのバカ女はまた性懲りもなく、おまえの家に来たのか」
自室の扉を開ける前から、ヘレナの怒声が響いている。そんなヘレナの声を聞き、カルマンは大きな溜め息を漏らし扉を開けた。
ビューン──。
扉を開けると同時になにかが飛んでくる気配を感じたんだと思う。とっさにカルマンはそれを避け、