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-フェルはもしかすると物だったのかもしれない-2P
僕はそう言いながら大きな欠伸をする。
こういう時のヘレナはかなりめんどくさい。
占いに行こう! なんて言い出した時も良いことなんかなくて、結果、皆の気持ちを不快にさせただけ。
だから最近、僕は学びを得て、ヘレナの話は話半分で聞くことを徹底している。
「ちょっとリーウィン! 全然興味なさそうじゃない!」
「えっ、だって興味な──あっ! そういえば今日はカルマンが来るんだった! もう来てるかもだしみてくるね!」
僕は興味ないもん。なんて言えばどうなるか判っていたから、話を逸らしつつ、そそくさとヘレナを置いて自室を出た。
「ちょっと!」
そんな僕にヘレナは不機嫌そうな声色で、一言。
パタンッ。
ソッと僕は扉を閉めた。
「〜〜っ!」
「〜〜〜」
扉を閉めたあともなにか言ってるらしいけど、聞かない、聞かない。
僕はそのまま無視を貫き、まだ来る時間でもないカルマンが早く来てくれてたらな〜。なんて祈りながら玄関のドアを開け──