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-メテオリット襲来-6P
こんな化け物に一度でも遭っていれば、絶対に忘れるわけがない! 記憶にないっていうことは、でたらめ……? あれ……? えっ、ていうか、この隕石は、人語を理解している……!? まずいっ! 隕石がどうして喋るんだ! そんなことを考えている暇なんてない。僕の頭の中で『逃げろ』と警鐘が鳴り響く。
「いっただきま〜〜す」
そんな警鐘と同時に、隕石は無邪気で機械質な子供のような声を発し、どこからともなく僕目掛け、触手の様なモノを勢いよく伸ばし始める。
逃げなきゃ! そう思ったと同時に体を動かすけど、脳と体が上手くかみ合わない。逃げたいのに足取りが覚束なく、鉛が張り付いているみたいに動かせない。
そんな状態の僕は、逃げることもままならず、足がもつれ盛大に転んでしまった。
隕石は、その瞬間を見逃すわけがない。当たり前だ。獲物が目の前で動けずにいれば、好機とばかりに襲ってくるに決まっている。
触手は僕をかすめ捕らえ、転んだ拍子にできた傷口に群がり、舐めるように吸い付き始める。
「お兄さんの血、やっぱり美味しいね〜」




