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-ヘレナの意外な趣味-〔後編〕7P
慰めてくれようとしてるんだし、興味のある振りだけでも。なんて思いながら聞く。
「私がさっき試し打ちしたハンドガンが、近接戦用の銃だとすれば、これは遠距離用の銃と思えばいいわ! あっ、ランチャーよりかは威力は落ちるんだけどね」
ヘレナはそう言いながら、いつでも撃てるわよ。という態度でルンルンとしていた。
「ヘレナってこんな趣味あったんだね……」
「まぁね! これも淑女の嗜みよ!」
ヘレナはそう言い、対物ライフルをさっき撃ったミサイルランチャーとは別の方向にある、大きな岩に向かって撃ち込んだ。
弾丸は凄まじいスピードで岩を砕き、それでも威力を落とすことなく鬱蒼と生い茂る森の方へ駆け抜けて行く。
「あら? 可笑しいわね……」
ヘレナは不思議そうな顔をしながら、弾丸が飛んで行ったた方向を唖然として見つめる。
「なにが可笑しいの?」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」