ヘレナの意外な趣味-5P
これを知ったからって、僕が扱うわけでもないし、特に興味は湧かなかった。
銃弾のサイズが三種類あって〜とか説明したあたりから、僕は愛想笑いを浮かべ、内心、早く終わらないかな? なんて思いながら、
「ヘレナって、変なところだけは詳しいよね!」
なんて適当に褒めておいた。
そんな僕の適当な褒め言葉に、ヘレナは気づかない様子でコッキングをしたあと、
「今から威力の違いを見せてあげるから!」
なんて宣言し、一本の木に向かってトリガーを引いた。
バーンッ──。〔パーン〕〔パー〕
銃声が静かな山の中で響き、こだまする。
そのあとを追うかのように、撃ち抜かれた木は、ミシッという不快音を立て時間差でゆっくり地面へと倒れる。そしてどうやら、魂力の強さが以前より上がっているらしい。ヘレナの撃った銃弾の被害は、それで収まらず、後ろに生えていた木々を数本なぎ倒しながら貫通していた。
でも最初の木の倒れ方は、他の木々とは違う点に違和感を覚えてしまう。
その一本だけ時間差でゆっくり倒れるのはどう考えても可笑しくない? それって、最初は威力が弱く、段々と強まったってことになる気が……。
「ねぇ──」