-ルフーラの意外な好物-11P
まぁ、僕には関係のない話なんだろうな。そう思いながら、あまり好みではないバタフライピーティーを飲み干し、その場を楽しんだ。
それから一時間ほど経ったあと──。
「そろそろ帰るかにゃ」
クルトはそう言いながらも、今日は僕の奢りだにゃ。なんて言い、会計を済ませに行く。
「そうだね」
ルフーラは奢ってもらうのがさも当然という様な態度で、本を鞄にしまい、帰る準備を始める。
そんなルフーラとは正反対に僕は、誰かに奢ってもらうなんて初めてのことだったから、どうしたらいいのか解らない。
そのせいで、がま口財布を手に持ち、挙動不審な態度であたふたしてしまった。
「気前よく出してくれるって言ってるんだから、好意に甘えればいいんじゃない?」
そんな困惑を覚える僕を見てルフーラは、素っ気ない態度でアドバイスを口にする。
それでいいのかな? でも、ルフーラがそれで良い。って言ってるし……。うーん。僕は数秒、考えたのち、せっかくだからクルトの好意に甘えることにした。
店内をあとにし、これからどうするのか? という話になったけど、これ以上二人のデートを邪魔するわけにはいかない。僕はそう思い店の前でクルトたちと別れることにした。
「あっ! そうだにゃ! あと一週間もすれば、ムーステオも再開予定だから、また遊びに来てにゃ♪」
別れ際、クルトはそう言うと先にどこかへ向かうルフーラを追いかけるように、走って行ってしまった──。