635/1664
-ルフーラの意外な好物-3P
なんだろ……なにかの野草を絞ったような……。なんとも言えない独特な味は──。僕はあんまり、好きじゃないかな。
僕はそう思いながら顔をしかめる。
「それにレモンを浮かべると、色と味が変わって飲みやすくなるんだにゃ♪」
そんな僕を見兼ねてか? クルトはそう言うと、僕の頼んだお茶に無断でレモンを浮かべた。
砂糖菓子や、シュガーシロップを入れるのもありだけど、まずはレモンを試して欲しいらしい……。
でも勝手に入れるんじゃなくて、一言、断ってから入れて欲しかったな〜。なんて思いながらもお茶を観察してみた。
最初は天壇青を薄めた色のお茶が、レモンを浮かべるとどういう原理か、徐々に紫っぽい……至極色に変色していく。
「これってなんて言うお茶なの?」
僕は、色が変わっていくお茶を見ながらキョトンとする。
「えっとにゃ……。にゃんだっけ……? ルーにゃん覚えてるかにゃ?」
「ムーステオにも置いてるんだから、覚えておきなよ……。バタフライピーティーだよ」