-エグル・アードラーとは?-4P
そのあと長い長い年月を、ガニメドは全知全能の神と過ごしました。が、やはり人間の器に永遠の命など恐れ多いモノでした。
神の世界で何万年と生きたガニメドは、人の理を超えた存在にはなったものの、その命を終わらせてしまいます。
嘆き悲しんだ全知全能の神は、ガニメドを星として天に命を返しました──。
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「えっと……どうして、エグル・アードラーが星座になったの? その話だと神の無茶振りで主人公の少年が、悲しい思いをしたんだから、その少年の名前を星座にしない? 普通は」
そんな話を聞いた僕は開口一番、矛盾点を指摘する。
「なに言ってんの? エグル・アードラーの近くにいるじゃん」
「えっ?」
「ヴェルソー・ヴァッサーマンがそうだけど?」
ルフーラはそんな常識も知らないの? そう言いたげに小首を傾げた。
「いやいや! えっ、めちゃくちゃ近いじゃん! そもそもエグル・アードラーが近くにいるとか可笑しくない!?」
「そんなの僕に言われても知らない。それに近いっていっても、距離はかなりあると思うけど?」
僕の感情論にルフーラは、大きく息を落としたあと、そう無慈悲な現実を突き刺した。
「ふむふむ……」